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18世紀ヨーロッパの空間認識

研究課題

研究課題/領域番号 59490020
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 広領域
研究機関京都大学

研究代表者

樋口 謹一  京都大学, 人文科学研究所, 教授 (80027523)

研究分担者 甚野 尚志  京都大学, 人文科学研究所, 助手 (90162825)
浅田 彰  京都大学, 人文科学研究所, 助手 (90151026)
富永 茂樹  京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (30145213)
坂上 孝  京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (70047166)
山田 慶児  京都大学, 人文科学研究所, 教授 (10027542)
研究期間 (年度) 1984 – 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1985年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1984年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
キーワード空間認識 / 18世紀精神史 / システム
研究概要

政治史・社会史・思想史・芸術史・科学史・技術史などを含めた共同研究により、諸領域に共通の空間認識の変容が次のような形で明らかになった。
1.16世紀までの閉じた同心円的世界に対し、17・8世紀になってはじめて開かれた空間としての世界が成立した。
2-(1)そのうち17世紀的空間は統一性・同質性を特徴とするが、18世紀的空間は多様性・異質性を特徴とする。前者の範例をニュートンとすると、後者の範例はディドロである。
(2)開放空間の成立は諸要素の空間的布置としてのシステムの概念をもたらしたが、それについても同様な変化が見出される。17世紀的システムは統一原理から出発して諸要素を外在的に結びつける構造であるが、18世紀的システムは多様な諸要素の間から自ずと浮かびあがってくるソフトな内在的関係の網の目である。前者の範例をデカルトとすると、後者の範例はモンテスキューである。
(3)このような18世紀的空間認識は近代的世界像の成立にとって決定的に重要であった。事実、そこにおいてはじめて具体的な事物の多様性にむけて開かれた世界像が生まれるのである。近代的世界像の確立を17世紀に求め、18世紀をその単なる後継者とする従来の見方は、今や修正されなければならない。
3-(1)18世紀的空間認識はしかし極めて不安定な均衡のうちにあった。19世紀に入るとそれは時間軸にそったラセン運動の中に引き込まれていくことになる。
(2)その転換点において「空間の爆発」ともいうべき現象のあったことが明らかにされた。ナポレオンの帝国や「ヴィジオネール」様式の建築などがその範例である。そうやって膨張しきった空間が一挙に時間的運動へと吸引されていくのだ。
4.しかし、19世紀以来の歴史的拡大の「後」にあって、一定空間内での多様な諸要素の共存という課題に直面しつつある現在においては、新たに浮き彫りにされた18世紀の空間の知から学び得るところは極めて大であると思われるのである。

報告書

(1件)
  • 1985 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 樋口 謹一(編): "空間の世紀" 筑摩書房, 366 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1985 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] HIGUCHI Kinichi (ed.): Chikuma Publishing Company. The Century of the Space, 366 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1985 研究成果報告書概要

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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