研究課題/領域番号 |
59510236
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
その他外国語・外国文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西本 晃二 東大, 文学部, 教授 (00012352)
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研究分担者 |
長神 悟 成城大学, 文芸学部, 専任講師 (00126137)
月村 辰雄 独協大学, 外国学部, 専任講師 (50143342)
柴野 均 東京大学, 文学部, 助手 (30162639)
片山 英男 東京大学, 文学部, 助教授 (70114436)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1984年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 15世紀 / 手写本 / 人文主義 |
研究概要 |
今回我々が試みたこの写本-15世紀イギリスのカンタベリーで筆写されたと推定される、子牛の皮に書かれた手写本-の解読と、写本の文化的背景分析の過程で、以下に示すように、この写本の持つ史料的価値の大きさと、写本の歴史的意味に関しての新しい知見が明らかとなった。とりわけ、重要な成果として三点を挙げる。 1)写本中のポッジョ・ブラッチョリーニ(Poggio Bracciolini)の書簡については、特にイギリス人文主義者たちとの交流の中で生み出されたものについては、他に公刊されたことがない史料が相当数含まれていること。とりわけ、ポッジョのイギリス滞在(1418〜1422年)以後の数年間の時期の書簡は、そのほとんどが今まで知られていないもので、その史料的価値ははかり知れないほど大きい。 2)写本に含まれるグァリーノ・ダ・ヴェローナ(Guarino Da Verona)の書簡については、その大半が公刊ずみのものと比べて劣化が激しいものであるが、そうした中でも未公刊のものが数多く存在し、他に参照できる史料が未発見である現状では、非常に貴重なものであること。 3)中世の弁論術(ars dictaminis)の伝統と、この写本に典型的に見られる書き方術(ars epistolandi)の伝統が深いつながりを有していること。これは特にガスパリーノ・バルツィッツァ(Gasparino Barzizza)が手紙の「書き出し」部分を論じ、かつ実例を挙げて説明している箇所で、キケーロの弁論術の規範を大筋においてそのまま利用している点などに明瞭に表われている。 現在まで日本では例を見ないような、手書きの古文書(15世紀ヨーロッパのもの)の読解を果たした点で、それだけでも大きな成果と言えるであろう。
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