研究課題/領域番号 |
59540162
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
木下 紀正 鹿大, 教育学部, 教授 (80037209)
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研究分担者 |
中村 昭洋 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (60172392)
鍵山 茂徳 鹿児島大学, 教養部, 教授 (80094134)
三仲 啓 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (20136831)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1984年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 高エネルギー原子核反応 / クォーク・グルーオンプラズマ / ハドロン原子核衝突 / 多重発生 / クォークジェット |
研究概要 |
本研究の目的は、これからの強力に推進されようとしている高エネルギー原子核衝突実験に備え、その主要な現象であるハドロン多重発生の研究を進めるとともに、量子色力学に従う基本粒子であるクォークやグルーオンのプラズマ状態の力学についての理論的基礎を固めることである。そのために、我々は流体模型に基ずくクォーク・グルーオンプラズマ(QGP)の動力学的研究と、高エネルギー原子核衝突における標準モデルとしての多重鎖模型の事象生成プログラム開発の研究の2つの方向から研究を進めた。 第一の方向については、QGPが生成されたと仮定し、その後の時間的発展を3次元的な相対論的流体模型で分析した。数値計算の結果、流体の横方向の運動が生成ハドロンの横方向運動量を強く支配し、その分析からQGPの初期状態の情報が得られることが判明した。また、QGP流体のハドロン化に関しては、内部構造をもったハドロンの多体系の自由エネルギーの取り扱いについては現在研究中である。 第二の方向に関しては、その基礎研究として、電子陽電子対消滅におけるクォークカスケード生成プログラムによる検討、及び重クォーク破砕の詳細な解析をおこなった。さらに、ハドロンや原子核の高エネルギー衝突の分析用にハドロン鎖模型を構築し、モンテカルロ法による事象生成プログラムの開発を進めた。これは、QGP生成などの新現象とバックグランドを区別するためにも不可欠なものである。この模型の結果は、ハドロン同士の衝突の支配的な特徴を良く再現すると共に、原子核の関与する高エネルギー衝突にも有用であることを確認した。 今後、それぞれの方向について研究を一層掘り下げると共に、二つの方向を統一し、高エネルギー原子核衝突の物理学、中でもQGP研究を総合的に進めて行くことが残された課題である。
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