研究課題/領域番号 |
59540213
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
塩見 直子 奈良女大, 理学部, 助教授 (40031679)
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研究分担者 |
島 邦博 筑波大学, 物理工学系, 講師 (70087964)
小川 英巳 奈良女子大学, 理学部, 助手 (90169194)
坂本 直樹 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (20031718)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1984年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | エネルギー損失 / 阻止能 / 平均励起エネルギー / 内殻補正 / エネルギー損失の幾何学的効果 |
研究概要 |
今年度はこれまでに得た実験データの一部のAuに関しての整理解析を完成しNuclear Instrument and Method in physics Pesearch(1986)に発表した。ここで得られた新しい知見を簡単にのべる。上記の阻止能は0.3%の高精度で測定され、この阻止能をBichsel's X-variable(Xexp)で表わし、一方Bethe-Blochの式で【Z^3】-補正,Block補正及び最とも大きな主要補正項である内殻補正にBonderup及びBichselの両理論を用いてXcalを計算し、XexpとXcalのleast Square fittingにより阻止能のkeyparameterである平均励起エネルギー"I"を得ることが出来た。その結果低エネルギー側(3〜8MeV)では両補正項とも実験値とよく合うが高エネルギー側(8〜20MeV)では両補正とも充分に実験と合わないことが判明した。これは新しい知見である。よりよい内殻補正の理論の発展が切に望まれる。 この3年間に更にTaとAgについても低エネルギー領域では京都大学バンデグラーフを使用し、高エネルギー領域には筑波大学のバンデグラーフですでに実験ずみである。しかしながら低エネルギー領域と高エネルギー領域では阻止能にSystematicな誤差が生じた。この原因を探究しなければAgとTaに関してまとめて討論することは出来ない。加速器が原因なのか試料に原因するのか目下検討中であり近い将来解決できると予想する。そうして内殻補正に関する(TaとAgに対して)新しい知見が得られるものと思られる。 この様に研究課題の研究については充分な成果は上げられなかったが、前から念願であったTissue-Equivalent plasticの阻止能の精密測定を2.5〜7.5MeVの陽子エネルギーで測定した。これも未だ測定されたことのないものであり、各構成要素の阻止能にAnderseu-Zieglerの値を使用して、それらをブラッグの加算則で計算した値と全エネルギー領域で非常によく一致することが判明した。これは現在の研究課題と全く同じではないが今年度の大きな成果であり、62年7月国際学会で発表予定である。
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