研究概要 |
本研究は、集運材用車両における木寄せ性能の向上をねらいとして、架線集材機能を集運材車両に併有させるために必要な設計論的基礎研究である。59・60年度において、車両に要求される性能条件の調査結果から主要構造部の様式と仕様を決定し、さらに、模型試験機による性能試験を行い設計評価を行った。最終年度である本年度は、これまでの研究結果をもとにして、本設計対象車両の主要部である集材機械能部の設計を行った。得られた結果の概要は以下のとおりである。 1)集材機機能部の主要部分であるダブルドラムウィンチの基本設計を行った。間伐材(最大300kg)の木寄せ装置としては、ドラムのロープ巻込容量が8mm直径ワイヤロープを200m(ドラム寸法Di=160mm,Bd=300mm,Df=330mm)、最大けん引力890kg、平均索速度1m/sが要求され、これに要する動力として6.7PSが必要である。これに対して、主伐材(最大600kg)の木寄せ装置としては、ドラムのロープ巻込所要量が12mm直径ワイヤロープを200m(ドラム寸法 Di=240mm,Bd=300mm,Df=470mm),最大けん引力1,740kg,平均索速度1m/sの能力が要求され、これに要する動力としては13.3PSが必要である。 2)本車両に採用されるランニングスカイライン索張りシステムにおいて材の安定した鼻上げ集材を行うためには、Vベルト式無段変速機を応用したインターロック機構が有効であることが確かめられた。インターロック装置の所要変速比および変速機の動力容量とては、間伐用ウインチで1:1.95,15PS,また主伐用ウインチで1:1.85,30PSが必要である。 3)元柱または向柱の役目をはたす車両装着のタワー装置,ランニングスカイライン索張りシステム専用の搬器・フック・先柱用ブロックなどの器材の設計問題の検討が今後に残された。
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