研究課題/領域番号 |
59570086
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西 勝英 熊本大, 医学部, 教授 (00040220)
|
研究分担者 |
川村 智美 熊本大学, 医学部, 助手 (00153015)
門脇 義博 熊本大学, 医学部, 助手 (10145310)
|
研究期間 (年度) |
1984 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1985年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1984年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 胎児心筋活動電位 / Caチャンネル,Kチャンネル / 腎被膜下移植心筋 / 細胞内Na活性 / 細胞内K活性 / イオン選択性電極 |
研究概要 |
1.イオン選択性電極法による心筋細胞内Na、K動態からみた細胞内Ca濃度の変化:二連イオン選択性微小電極による心筋細胞内Na、K動態の測定技術の開発に成功した。この方法を用い、従来、知られていなかった心室固有筋の細胞内Na、Kイオンの心筋細胞刺激時の変化を明らかにした。心筋細胞内のNaは、刺激頻度依存性に増加するが、刺激開始後2〜3分で定常値に達し、以後一定の値を示す。刺激終了後、上昇した細胞内Na濃度は、指数関数的に減少する。細胞内Kは、顕著な刺激頻度依存性を示さなかった。 2.ラット胎児心筋細胞活動電位の妊娠経時的変化:ラット胎児心筋細胞は成熟ラット心筋細胞とは異り、出生前までは、持続時間の長い活動電位を発生させるが、出生後2日目より、しだいにその持続時間が短縮し、一週目には、ほぼ正常心筋細胞と同じ活動電位をする。出生直後より、Caチャンネルの減少と、Kチャンネルの増加により、活動電位持続時間の短縮がもたらされるものと結論された。どのような因子が、出生後の心筋細胞膜におけるチャンネルの増減の調節機構に関与するのか不明であり、実験継続中である。 3.ラット腎被膜下移植心筋細胞の活動電位の変化:ラット胎児心筋、出生後、2〜3日目の心筋をラット腎被膜下に移植した。胎児心筋は、移植後、成熟型の活動電位を示すもの、胎児型のままの活動電位を示すものがあり、向らかの因子が一方では、チャンネルの蛋白合成を促進し、他方、チャンネルの機構を調節しているものと考えられた。性ホルモンの直接的影響は、関与していないことが明らかとなった。また神経支配が関与している可能性も否定された。胎児型心筋活動電位を示す細胞は、細胞内Naイオンが成熟型より増加していることが観察された。
|