研究課題/領域番号 |
59570431
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
小倉 良平 久留米大, 医学部, 教授 (10080566)
|
研究分担者 |
杉山 正康 久留米大学, 医学部, 助手 (40154504)
日高 敏博 久留米大学, 医学部, 助教授 (10113234)
|
研究期間 (年度) |
1984 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1984年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | B-16メラノーマ / 紫外線 / Caイオン / ホスホリパーゼ / アラキドン酸 / カルモジュリン / 膜流動性 / スピンラベル / 過酸化脂質 |
研究概要 |
培養B-16メラノーマ細胞を用いて、細胞膜の情報伝達に関する応答をホスホリパーゼの活性化を中心に検討を進めた。細胞膜刺激として東芝FL20SE30ランプを用い、細胞の生存率に影響のない最大エネルギー量である1.6×【10^6】erg/【cm^2】量で15分間行った。B-16メラノーマ細胞から照射後速やかにアラキドン酸の遊離がおこり、この遊離はホスホリパーゼ阻害剤のメパクリン及びカルモジュリン阻害剤のW7により抑制された。また細胞外液の【Ca^(2+)】濃度を5,20μM,1,2mMと変化させると5μMの場合のみアラキドン酸の遊離が抑制された。他の濃度ではほぼ同レベルの遊離が認められた。更に6μMのEGTA添加で【Ca^(2+)】をキレートするとアラキドン酸の遊離が抑制された。一方、B-16メラノーマ細胞の【Ca^(2+)】依存性ホスホリパーゼ活性を測定すると【A_2】,C活性が証明された。また、プロスタグランジン産生能は、【PGD_2】が最も高く、【PGE_2】、【TxB_2】、【PGF_(2α)】、6Keto【PG_(1α)】の産生も認められた。この如く、アラキドン酸の遊離をみた細胞膜流動性を、スピンラベル法により検討を如えた。その結果、膜流動性は照射直後に抵下し、6時間後に上昇する2相性がみられ、特に燐脂質アシル鎖の二重結合が豊富な12-DSAにおいて最大であった。過酸化脂質量も流動性の変化と平行して推移し、過酸化脂質生成は主に12DSA領域で流動性が低下することを明らかにした。 以上の結果から、紫外線刺激によりB-16メラノーマ細胞の細胞膜に過酸化を生じ、これが流動性などの膜動態に変化をあたえ、【Ca^(2+)】の細胞膜透過性を変化させて細胞内への流入を生じ、ホスホリパーゼ【A_2】の活性化を生ずる可能性が示唆された。これらの膜応答がメラニン生成に如何に結び付くかは、今後の新らたな課題をあろう。
|