研究課題/領域番号 |
59570440
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前田 稔 九大, 薬学部, 助教授 (70101178)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1984年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ヨウ素-131 / 固相型トリアゼン反応 / ジメチルスルホニウム塩 / フッ素アニオン / ブロモフッ素化反応 / 炭素-11フェニルエタノールアミン / 酵素法 |
研究概要 |
本研究は高比放射能ラジオトレーサーに基ずく脳機能放射性薬剤の開発にある。そのため、ラジオトレーサー合成反応系の開発と精密反応性の追究を行ったものである。ベンゾジゼピン受容体の描出剤として期待される【^(131)I】標識フェニルピラゾロキノリン類のトリアゼン反応を用いた標識法を改良した。ジアゾニウム塩を含む溶媒を留去して得られる固相反応系を用いると、放射活性が反応系外へ10〜20%程度失われるが、従来の溶媒還流型反応に比べて反応時間の短縮とともに放射化学的収率が3〜4倍に改良されることを見い出した。更に、この改良固相法は、溶媒還流型反応では満足な結果が得られない他の芳香族放射性ヨウ素化合物の担体無添加合成にも適用できることを明らかにした。【^(18)F】アニオンによる【^(18)F】芳香族フッ素化合物創薬のため、新しい反応系としてジメチルスルホニウム塩を脱離基とする芳香族求核置換反応を開発した。ニトロ基やシアノ基で活性化された芳香族スルホニウム塩は、DMFやDMSO中、100℃、10分間フッ素アニオンと反応せしめることにより、50〜70%の収率で対応する芳香族フッ素化合物に変換することができる。この新反応は【^(18)F】芳香族放射性薬剤の中間物質合成に適用することができる。一方、フッ素化テトラブチルアンモニウムをフッ素源としてNBSとの組み合せによって、二重結合にブロモフッ素化反応を行わしめることに成功した。このブロモフッ素化反応によって得られるブロモッ素化合物は、選択的に脱ブロム化することができ、脂肪族モノフルオロ体に変換できるので、【^(18)F】標識脂肪族トレーサーの創薬に新しい手段を提供する。炭素-ハシアン化水素を標識試薬として、酵素的手法により炭素-11標識シアンヒドリン合成を行い、フェニルエタノールアミンの炭素-11標識化合物をエナンチオマー選択的に得る技術を開発した。
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