研究課題/領域番号 |
59570651
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
大平 敦彦 心障者コロニー, その他, 研究員 (20101074)
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研究分担者 |
松井 ふみ子 発達障害研究所, 発生学部, 研究助手
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1984年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 先天性四肢骨格異常 / ラット肢芽 / プロテオグリカン / グリコサミノグリカン / ヘパラン硫酸 / コンドロイチン硫酸 / ヒアルロン酸 |
研究概要 |
ヒトの先天性四肢骨格異常症の患部を切除し、細胞間物質を生化学的に分析すると、多くの場合、量・組成・構造に異常が認められる。このことは、四肢の分化過程における細胞間物質の合成・分解機構の異常が、すくなくとも一部の先天異常症の病因・病態に関与していることを示唆している。我々は、四肢の形態形成における細胞間物質の役割を調べるために、分化途上のラット肢芽が産生するプロテオグリカン(PG)の単離・同定を行った。 胎生13日から15日のラット胎仔から肢芽を切り出し、[【^(35)S】]無機硫酸を3時間とりこませた後、タンパク分解酵素阻害剤と界面活性剤(0.8%MEGA-9)を含む4Mグアニジン塩酸によりPGを抽出した。胎生13日のラット肢芽からは、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びヘパラン硫酸プロテオグリカンが単離できた。また、一本鎖ヘパラン硫酸も単離された。この時期、肢芽間葉系細胞は凝集し、骨格原基を形成しはじめる。この細胞凝集に、これらの物質がどのように関与しているかは、今後の課題である。胎生14日になると、この2つのPGに加えて、軟骨型プロテオグリカンが検出できるようになり、軟骨化の開始時期を生化学的に確認することができた。 胎生13日のラット肢芽をタンパク分解酵素消化して、グリコサミノグリカン画分を得た。セルロースアセテート膜二次元電気泳動により、ヘパラン硫酸,コンドロイチン硫酸,及びヒアルロン酸が検出できた。さらに、標準ケラタン硫酸の位置に、アルシアンブルーで染色されるスポットが認められた。この物質は、ケラタナーゼで消化されないし、[【^(35)S】]無機硫酸もとりこまないことから、ケラタン硫酸ではない。また、ラット胎仔の脳や尾などのグリコサミノグリカン画分には存在しないことから、肢芽において何らかの機能をはたしている物質ではないかと考えている。しかし、微量しか得られないことから、詳細な構造は未だ不明である。
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