研究課題/領域番号 |
59810005
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
星 龍雄 筑波大学, 学校教育部, 教授 (70015791)
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研究分担者 |
志水 康夫 (志水 康雄) 筑波大学, 学校教育部, 助手 (60015873)
斉藤 佐和 (斎藤 佐和) 筑波大学, 学校教育部, 助教授 (00015819)
川口 博 筑波大学, 学校教育部, 助教授 (40152938)
小畑 修一 筑波大学, 学校教育部, 教授 (50114054)
小林 学 筑波大学, 学校教育部, 教授 (30114078)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1985年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1984年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | 聴覚障害児教育 / 補聴システム / ループ式相互通話式集団補聴器 / FM式相互通話式集団補聴器 / フラット・ループ / 補聴器 / 集団補聴器 / 聾教育 / 聴覚活用 |
研究概要 |
聴覚障害用補聴システムとして、我々は昭和55年度よりループ式相互通話式集団補聴器を開発してきた。この装置により、従来ほとんど不可能であった、児童相互の音声によるコミュニケーションが可能になり、聴覚障害者に特に必要な社会性の確立、例えば集団の場での会話マナーの育成に大いに役立ってきた。しかし、この方式において不可欠なフラット・ループの設置は経費的にも敷設技術の上からも困難があり、また使用場所がループを設置した範囲に限られるという問題も残っていた。そこで昭和59年に開始した本研究では、ループを使用しない方式、すなわちループ磁気信号をFM電波に代えた教室用のFM式相互通話式集団補聴器の開発に取り組み、また同時に集会用、家庭用の装置も開発してきた。59年度末に教室用試作器2台が完成したのでこれを60、61年度の2年間にわたり、筑波大学附属聾学校幼稚部3、4歳児の各1学級に設置し、日常的に使用してもらった。61年度末に、約2年間の継続的使用の効果について、教師の意見をまとめ、また授業分析の手法を借りて客観的評価を試みた。その結果は以下の通りであった。 (1)教師の意見によれば、ループ式、FM式を問わず、相互通話式集団補聴器を継続的に使用することにより、幼児相互の会話量が増えること、FM式の場合はこれに加え、集会用の広い部屋や運動場でも使用可能なこと、ループ敷設の技術が不要なことが評価された。また家庭用装置の使用により子どもの聴覚活用に及ぼす効果は更に大きくなることもわかった。ただし電波の不安定など若干の問題は残った。 (2)学級内における会話のパターンの分析を行ったところ使用期間が長くなるにつれて子ども同士の会話は量的に増大し、質的にも満足すべき発達がみられた。教師から子どもへの一方通行でなく、相互的会話を通しての言語教育の可能性が立証された。
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