研究課題/領域番号 |
59840010
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
坪村 宏 阪大, 基礎工学部, 教授 (20029367)
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研究分担者 |
吉村 求 三菱電機株式会社, 中央研究所, 主事
平田 郁之 三菱電機株式会社, 中央研究所, 主幹
中戸 義禮 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70029502)
井上 義朗 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (30093371)
伊藤 龍象 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10025869)
HIRATA Ikuyuki Central Research Laboratory, Mitsubishi. Electric Corp.
YOSHIMURA Motomu Central Research Laboratory, Mitsubishi Electric Corp.
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1984年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 太陽エネルギーの化学変換 / 半導体電極 / 光電気化学 / p-n接合 / シリコン / エネルギー変換効率 / 光電解セル / 最適設計 / 太陽エネルギー / シリコン電極 / 薄膜被覆電極 / 流通型電解槽 / 電極配置 |
研究概要 |
太陽エネルギーの化学エネルギーへの変換を目的として、白金などの金属・金属酸化物、あるいは金属シリサイドなどの薄膜で被覆したp-n接合シリコン光電極と白金板対極とからなる光電解セルを用いたヨウ化水素の水素・ヨウ素への光分解に関する研究を行った。まず変換効率と耐久性の向上に関しては、【P^+】-h接合シリコン電極によるヨウ素イオンの酸化を行わせる光電池において、画期的な安定化に成功した。すなわち、白金、タングステン、あるいはモリブデンの薄膜の被覆により5000時間に及ぶ長期安定化に成功した。これらの薄膜は極めて薄く1nm程度であり、せれによる光のロスは少ない。これらの電極により光エネルギーの化学エネルギーへの変換効率は8パーセントを越えた。一方、白金薄膜で被覆した【n^+】-p接合シリコン電極による水素発生を行わせる光電池においては、アモルファス・シリコンを結晶シリコンに複合化する技法を開発し、n型アモルファス・シリコン/p型結晶シリコンなるヘテロ接合電極を用いて10.8%という化学エネルギーへの変換効率としては画期的に高い世界最高の値を達成した。この電極はまた、非常に安定であった。 次に光電池の設計に関して、光電解セルの性能に大きな影響を及ぼす主な因子は(1)液抵抗(2)電解液による光の吸収(3)半導体電極の表面における電流密度の不均一性である。実際には(1)と(2)の効果は互いに打消し合う場合が多いが、(3)による変換効率の低下は光電池における電極配置の特殊性から避けられない問題である。しかし半導体電極を細分化することによって、電流密度分布を均一化し、液抵抗を下げることが可能である。以上の点を考慮してエネルギー変換効率の高い光電解セルモジュールの構造を決め、それらの組み合わせとしてより一般的な形状の光電池を設計する方法を確立した。
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