研究課題/領域番号 |
59840011
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 敬人 東大, 教養部, 教授 (80012384)
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研究分担者 |
吉村 伸 東京大学, 教養学部・化学教室, 助手 (20182818)
小川 桂一郎 東京大学, 教養学部・化学教室, 助手 (50114426)
友田 修司 東京大学, 教養学部・化学教室, 助教授 (30092282)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1984年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 低温NMR / DNMR / パーソナルコンピューター / 窒素の反転 / 有機ゲルマニウム化合物 / 動的NMR / 分子力学計算 / 6員環の反転 / インドリジジン |
研究概要 |
分子の動的過程の研究は、必然的に原子の反転、結合の回りの回転、等の低エネルギー障壁過程の遷移状態の研究を伴うので、研究手段は限定される。比較的複雑な有機化合物が対象の場合、最も有望な手段は、核磁気共鳴(NMR)である。変換の障壁が10Kcal/mo1以上の場合、線形の温度変化から変換の熱体の各々を直接観測出来る。このため、多くの動的過程が、温度変化NMR(ONMR)によって明らかにされてきた。 しかし、DNMR法は変換の凍結に-150℃以下の低温が要求される障壁数kcalの低エネルギー過程の研究に対して技術的な問題を持つ。しかし、計画開始当時市販されているNMR装置にその温度を実現できるものはなかった。 当研究室では、かねてから窒素の反転、C-C結合より長い結合の回転の様な低エネルギー障害過程に関心を持ち、このデータをうるために手持ちのNMR装置を改造して-150℃を実現する事を計画した。改造に関しては、装置のメーカーである日本電子KKに技術の開発、実行を依頼した。 改良の要点は、1)送風二重管の断熱性の向上、2)インサートの断熱性の向上、3)ブローブの断熱性の向上、である。本研究では、特に1)と2)に重点を置き、ほぼ目的を達成した。すなわち、-140℃の低温が容易に実現された。しかしこれ以上の低温は、種々の要因のため得られなかった。 研究には、1.8-ジアザビシクロ〔4・3・0〕1ナン等、橋頭位に窒素を持つ系を用いた。天然存在比N-15NMRスペクトルでも、低温でシグナルが2本に分列して、窒素原子の反転による2つの配座異性体が区別された。次に、一連のゲルマシクロヘキサンの環反転を研究した。しかし、この過程の障壁は5kcal/mo1以下と推定され、-140℃でも、これを凍結できなかった。
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