研究課題/領域番号 |
59850002
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤本 文範 東京大学, 教養学部, 教授 (70012242)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
28,100千円 (直接経費: 28,100千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1984年度: 26,100千円 (直接経費: 26,100千円)
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キーワード | イオンビーム / 蒸着 / 窒化ボロン / 窒化チタン / 薄膜 / コーティング / 表面改質 |
研究概要 |
1.今年度は窒化ボロンの被覆膜の作成から始めた。窒化ボロンには白色石墨といわれるグラファイト型結晶、ウルファイト型、および立方晶型の閃亜鉛鉱型の三種類の結晶型があり、グラファイト型のものは摩擦係数が小さく表面が滑かであるのに対し、閃亜鉛鉱型はダイヤモンドと殆んど同じ硬度を持つ超硬物質として注目されており、通常十万気圧、千六百度の高温高圧下でのみ作られる。 我々はボロンを蒸着すると同時に、窒素分子イオンを注入して膜をシリコン板、アルミニウム膜、および岩塩の上に作成した。イオンの加速電圧は25〜40KVで基板温度は約200度であった。イオンの量および蒸着速度を制御して膜の成分比を変えた。ボロンと窒素の成分比はアルミニウム膜上の生成膜について2.0MeVヘリウムイオンの散乱強度で測定、生成膜の結晶構造はシリコン基板上のもののX線回折、赤外吸収分光で、また岩塩上のものは剥離して電子顕微鏡により膜の状態、また回折線より微小部分の結晶構造を調べた。結果はボロン/窒素成分比が0.9以上で、また低電圧で作成したものに立方晶型のものが多く含まれていることを見出した。高い電圧で作成したものおよびボロン/窒素比が小さいものはグラファイト型のものが多く見られた。 2.窒化チタン膜の作成も行った。チタンを蒸着しながら窒素イオンを注入してステンレス板上に膜を作成した。イオンのエネルギーの変化による基板との界面の状態に特に注目し、RBSとスパッタリングと光電子分光により深さによる成分の変化を調べた。結果は30KVのとき基板と窒化チタンとの混合層が約440Åであり、10KVでは300Åであった。この混合層の厚さは基板との付着力に対し重要である。また作成された膜は殆んど窒化チタン結晶の100軸方向が基板に関係なく表面に垂直であることが見出された。
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