研究課題/領域番号 |
59850005
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西川 治 東京工業大学, 国立大(その他), 教授 (10108235)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
1985年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1984年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | 走査型トンネル電子顕微鏡(STM) / 圧電素子 / 電歪素子 |
研究概要 |
走査型トンネル電子顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope,STM)とは、鋭い針の先端を試料面から数Åの距離に近ずけ、針と試料面との間に流れるトンネル電流を一定に保たせながら、つまり、針と試料面との間の距離を変えずに、針を試料面の凹凸に沿って走査させることにより試料面の形状を立体的に描き出す顕微鏡である。その分解能は、試料面に垂直な方向では0.1Å以上、平行な方向では数Åと高い。STMの応用は、表面原子の配列の直接観察から、超微細リソグラフィまで多方面にわたっているが、操作性のよいSTMはまだ開発されていない。従って、本研究の目的はSTMのより一層の高分解能化を図るとともに信頼性が高く、操作が簡便なSTMを開発することである。 STMの開発で最も問題となるのは、針を0.1Å以上の精度で走査させることと、STMの本体を外部振動から遮断することである。本研究では、二段のスプリングでSTM本体を懸下し、振動を抑える方式が採用されたが、この方式ではSTMの操作が極めて煩雑となるので、空気ばね式防振台に真空装置全体を乗せ、STMの本体は高真空用防振材料で作られた台の上に設置する方式に切り換えた。 高精度で針を駆動させる変位素子としては圧電材料が広く用いられているが、そのヒステリシスは電歪素子より大きいと考えられたので両者が比較された。しかし、両者のヒステリシスは変位量の約20%と大きく、実際のSTMの変位素子としては使用できないことが明らかにされた。ところが、針を試料面に近ずける場合は、試料面から数Åの位置から、指数関数的に増大するトンネル電流が観察され、垂直方向に0.1Åの分解能が得られることが確かめられた。従って、現時点では、変位素子のヒステリシスのため、表面の三次元像を得るに至っていない。日立製作所機械研究所にて低ヒステリシス圧電材料の開発が進められている。
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