研究課題/領域番号 |
59850019
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢川 元基 東大, 工学部, 教授 (40011100)
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研究分担者 |
関東 康祐 豊橋技術科学大学, 技術開発センター, 助手 (60177764)
相澤 龍彦 東京大学, 工学部, 助教授 (10134660)
酒井 譲 横浜国立大学, 工学部, 助手 (90114975)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
19,600千円 (直接経費: 19,600千円)
1986年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1985年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1984年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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キーワード | 動的破壊試験 / 靭性 / 破壊力学 / 粘塑性 / 画像処理 / J積分 / 電磁力 |
研究概要 |
61年度は、昨年度までに開発された動的破壊靭性試験装置を用いて原子炉圧力容器用A508c1.3鋼の動的破壊靭性値を低温から高温の広い温度領域で測定し、静的3点曲げ試験から得られた結果と比較した。その結果、遷移温度以下では30から50%ほど靭性が低下し、遷移温度は40から50度Cほど高温側にシフトすることがわかった。また、上部棚温度領域(延性破壊領域)でもやや靭性値が減少する傾向が見られた。なお数は多くないが、体積力負荷試験(試験片に直接通電する方式)の結果と表面力負荷試験(試験片上面に貼付した導電性テープに通電する方式)の結果を比較したところ両者はほぼ一致した。このことより本試験条件ではき裂近傍での電流集中によるJoule発熱の影響は実際上問題にならないことが確認された。 ところで、動的な延性破壊挙動を正確に把握するには、慣性力と同時に降伏応力などの材料物性値のひずみ速度依存性効果(粘塑性効果)の考慮が少なからず重要になると考えられる。そこで、本年度は破壊力学パラメータの評価精度を高めるために、粘塑性理論と動的非線形破壊力学に基づく有限要素法プログラムの開発も行ない、これを用いて上記の靭性データの再評価を行なった。その結果、上部棚温度域の靭性データが5%ほど上方に修正されたが、動的靭性値は依然静的靭性値よりも低目の結果となった。 上記の研究と平行して、昨年度までに開発されたコンピュータ画像処理を用いたき裂近傍のひずみ測定法を破壊力学パラメータも評価できるように拡張した。すなわち、全ひずみ理論を仮定することにより、画像処理から得られたひずみ分布に対応する応力分布を求め、これらの結果を用いて径路積分を実施することによりJ積分を求めた。その結果、径路独立性やCODから得られるJ積分値との比較において良好な結果を得た。この方法は、き裂近傍のデータを直接使用するので、今後3点曲げやCT試験片ばかりでなく任意の形状の試験片に応用できる。
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