研究課題/領域番号 |
59850032
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田古里 哲夫 東京大学, 工, 教授 (90010686)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1984年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | プロペラ / MAU型 / 翼端渦 / 翼端小翼 / 可視化 / 油膜 / タフト・グリッド / LDV / 誘導抵抗 / 旋回エネルギー / 疑似Wake / 水圧変動 / プロペラ起振力 / 渦格子法 |
研究概要 |
翼端小翼の三つのパラメータ(上反角、取付け角、後退角)を変えて性能試験を行なった。その結果、大型商船等における作動点付近とみられる条件下J=0.4〜0.6の範囲においてMAU型原型比較で効率が前進常数ベース1〜3.5%、荷重度ベースで3〜4%上昇するものが得られた。最適な小翼の配置は、上反角(前縁45°、後縁45°)、取り付け角(前縁-4°〜0°、後縁4°〜6°)、後退角(前縁0°〜20°、後縁15°)であった。ピッチ分布に関して小翼と主翼のピッチ分布とあまり差がないものが良かった。プロペラ表面の油膜法による可視化実験を行った結果、後縁小翼における層流剥離を防ぐため、翼型は円弧翼よりも剥離に強い翼型にするのが望ましく、小翼は上反角の小さい場合は主翼において原型プロペラの流れと同様な流れを呈し性能は向上するが、大きい場合は正圧面の遠心力による半径方向への流れを乱すために効率が下がる、との結果を得た。後流のタフト・グリッド法による流れの可視化からは性能の良好なプロペラほど小さな翼端渦が生成されており後流からの誘導抵抗の減少、旋回エネルギーの減少に対する裏付けが得られた。さらに後流にはLDVによる速度場計測により、小翼によって翼端渦が4つ生成されて下流で合成されている様子を捉えることができた。下流に行くに従って旋回エネルギーの減少が見られた。また船尾の疑似wakeを金網で設定しプロペラによって誘起される水圧変動を調査した結果、効率上昇のあった小翼付きプロペラは、水圧変動が原型プロペラよりも小さく翼端渦の強さが弱いことを示し、プロペラ起振力に関して基本的には影響が小さく、効率の増大が計れることが分かった。複雑な形状を表すに有効な渦格子法により小翼付きプロペラの性能に関して計算を行った。定性的には一致した結果を得たが、複雑な翼端からの影響による性能を正確に予測するまでには至らなかった。
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