研究課題/領域番号 |
59850056
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子通信系統工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池上 文夫 京都大学, 工, 教授 (20093180)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1985年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1984年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 無線通信 / 移動通信 / 携帯通信 / 都市内伝搬 / 多重波伝搬 / フェージング / ダイバーシチ受信 / 指向性アンテナ |
研究概要 |
移動通信はその普及とともにデータ通信や画像通信などより多彩なサービスへの要求が高まりつつあり、その実現には本格的な高速ディジタル移動通信を可能にする技術の確立が必要である。本研究では、都市内道路上や室内で生じる激しいフェージングや、ディジタル通信で問題となる遅延時間の大きい多重波に起因する伝搬歪による符号誤りを経済的に解決できる可能性をもつ新しいダイバーシチ受信装置を試作し、野外実験によりフェージング軽減効果および多重波伝搬歪の改善効果を確めた。その結果を以下に記す。 本試作装置のフェージング改善度は4台の受信機を用いた選択ダイバーシチ受信方式に近く、1台の受信機による経済的な装置で大きな改善効果が得られた。しかし、伝送帯域幅特性は計画当初予想した程の改善効果が得られなかった。このため指向性アンテナ(4方向アンテナ)自体の伝送帯域幅特性の改善効果を改めて評価し、無指向性アンテナに比べ4つの指向性のどれか一つが常に改善効果をもつ可能性のあることを確認した。これは4方向アンテナの潜在的な効果で適切な枝切替アルゴリズムによりこの効果を引き出すことができると考え、計算機シミュレーションによって伝送帯域幅特性改善効果の大きな枝切替アルゴリズムについて検討した。その結果、伝送帯域内の振幅特性に対応する2つの周波数の信号強度差(dB差)を観測する方法によって100kHzの帯域で1.5dBの伝送帯域幅特性を95%の累積確率で得られる可能性のあることが分かった。 本研究により指向性ダイバーシチ受信方式が大きなフェージング改善度を持ち、将来の高速ディジタル移動通信において問題となる伝搬歪の問題も適切な枝切替アルゴリズムと組合わせて解決し得る見通しが得、また、本方式により耐多重波変復調方式の適用領域を拡大することができることが明らかになった。
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