研究課題/領域番号 |
59850067
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
稲場 文男 東北大学, 電通研, 教授 (90006213)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
1985年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1984年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
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キーワード | レーザ / 単一生体細胞 / 螢光顕微鏡 / 高速多元画像処理 / 強度分布三次元表示 / 螢光寿命測定 |
研究概要 |
本研究の目的はレーザを中心とする光エレクトロニクスおよび画像処理技術を駆使して高感度で空間および時間分解能の優れた新しい生体細胞用螢光顕微鏡システムを試作開発することにある。この目的を具体化するために、まず励起光源にArレーザ、光検出器に高感度SITカメラを用いて単一の生体細胞内の有機色素からの微弱な螢光像をとらえ、イメージプロセッサによりその信号をデジタル処理して、螢光強度分布を定量的に測定できるレーザ光励起螢光顕微鏡の試作開発を行った。次にここで得られた成果と知見をもとに、感度ならびに空間および時間分解能の飛躍的向上とデータ処理の多機能化などの総合的な改善を図り、実用に十分供し得るレーザ光励起高速多元画像処理方式螢光顕微鏡システムの開発研究を進めた。先に試作したシステムと比べると、イメージインテンシファイアを用いたことで検出感度が約600倍、新型イメージプロセッサの採用により空間分解能が横方向8倍、縦方向8倍、時間分解能が約10倍という大幅な向上が得られた。また、臨床医学的に有用な各種有機色素をとりこんだ生体細胞からの螢光強度分布を測定して三次元表示を行い、それら色素の存在部位を明確にしたり、光化学効果により細胞が膨潤死滅していく様子を定量的に表示することに成功するなど本システムが医学・生物学的応用に極めて有効であることを実証した。さらに螢光強度の時間的挙動を検討することの重要性から、新たにレーザ光励起高時間分解螢光顕微鏡システムの試作開発を行った。本システムは約1秒間で+1秒の時間分解能を持つ測定が可能であり、これを用いて細胞内の各種色素の螢光寿命の比較検討を容易に行えることが確認された。以上、本試験研究によりレーザと画像処理技術を用いた新しい生体細胞用螢光顕微鏡システムの試作開発に成功すると共に、生命科学・工学的応用に極めて有用な測定技術を提供することを実証した。
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