研究課題/領域番号 |
59850072
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
船舶構造・建造
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
角 洋一 横国大, 工学部, 助教授 (80107367)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1984年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 船体構造 / 破壊力学 / 有限要素法 / き裂経路予測 / ぜい性破壊 / 疲労き裂 / き裂阻止 / 溶接残留応力 / 計算力学 / き裂阻止機能 / 破壊機構解析 / パソコン / プリプロセッシング / 図形入出力 |
研究概要 |
溶接線近傍の強度低下の主要な原因は、残留応力と材質劣化にあり、これらの要因によってき裂はしばしば不安定に屈曲し、通常の破壊力学的手法による靱性評価を因難にする。本研究では、初期き裂からのき裂成長を段階的に追跡する有限要素法を用いた解析コードを開発し、本年度は特に船殻構造で重要な溶接線近傍のき裂伝播経路および伝播停止挙動について検討した。 本研究によって理論的・数値的に解明されたのは以下の諸点である。 1.溶接線に直交するように伝播してきたき裂の場合、引張り残留応力場内では、き裂は溶接線に直交するが、その後圧縮残留応力場に進入すると、初期き裂線に垂直な一様引張り応力の大小によって、直進するものと不安定に経路を変じ、初期き裂と90度の角をなす方向へ屈曲し停止するものに分かれる。 2.溶接継手に斜交するように伝播してくるき裂は、溶接線に交叉する手前の圧縮残留応力場で最大圧縮残留応力の方向へ屈折し、溶接線とは交叉しない場合がある。 3.溶接上端部を伝播するき裂については、材質劣化を無視した場合、残留応力によってその伝播経路は継手と直交する方向へ不安定に屈曲し、母材側を伝播する可能性がある。 本研究では主として脆性き裂の伝播経路の予測を行ったが、本解析法は疲労き裂の伝播にも応用可能であり、応力振幅および平均応力の影響を含むき裂伝播経路予測理論の構築と並行してプログラム開発を進める必要がある。このような研究の進展によって、船舶および一般の溶接構造物の破壊強度評価の精密化が一段と進むものと考えられる。
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