研究課題/領域番号 |
59850076
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木構造
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐武 正雄 東北大学, 工, 教授 (50005188)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1985年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1984年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | コンクリート構造物 / アコースティック・エミッション / 破壊箇所 / 破壊レベル / カイザー効果 / スペクトル / 3次元AE位置標定 / AEエネルギー |
研究概要 |
本研究は、AEによるコンクリート構造物の破壊箇所の識別と破壊レベルの予測法の開発を目的として、種々の観点から行なわれた研究であり、研究成果は次のように要約される。 (1)一軸圧縮試験、割裂引張試験、鉄筋コンクリート梁の曲げ試験、応力履歴を受けた梁から採取したコアを用いた試験等で、カイザー効果に関する試験を行なったが、梁から採取したコアを除いて、先行履歴応力は工学的に十分な精度(平均値で10%以下)で推定することができた。また、カイザー効果の方向独立性が、円柱供試体の割裂試験や立法体供試体では成立すること及びカイザー効果の有効期限は供試体の保存方法によって大きな影響を受けることが明らかにされた。 (2)AE波のもつ情報から、コンクリート内部の破壊(損傷)レベルや強度などを評価するために行なった研究では、荷重の増加に伴うAEエネルギー分布の変化とコンクリート供試体の微視的破壊機構の間には密接な相感が存在すること、及びAE活性係数(単位非弾性横歪当たりのAEエネルギー発生量の対数値として定義される)はコンクリートの強度やコンクリートが過去に受けた損傷度と密接な関係を有することが示された。また、横歪とAE事象総数及びAEエネルギー係数総数との関係やAE波のスペクトル特性からAE発生源の特性を推定する方法などに関する研究が行なわれた。 (3)コンクリート内部の破壊箇所を識別する研究では、多数のAE波をパーソナルコンピューターの自動的に取り込み、AE波到達時間の自動判定を行なって、3次元位置標定した結果を図形表示するソフトウエアーと計測システムを開発し、これらを用いて幾つかのコンクリート供試体で3次元AE位置標定を行なった。その結果、トランス・デューサーで囲まれた空間では1cm以下の誤差で破壊源を推定し得ることなどが示された。
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