研究課題/領域番号 |
59850085
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎・土質工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大町 達夫 東京工業大学, 国立大(その他), 助教授 (90126269)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1985年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1984年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 原位置測定 / せん断剛性 / ねじり振動 / 軟弱地盤 |
研究概要 |
1.昨年度研究で得られた成果をもとに、原位置測定に適したステンレス製ねじり回転振動体の改良型を設計製作した。設計のポイントは、軽量で携帯に適すること、接地面積が広く原位置設置時に安定であること、基礎埋め込み部が地盤と密着すること、などである。この振動体に固定した超小型加速度計で、地盤と振動体との連成自由振動を電気的に検出し、A/D変換器でディジタル信号に変えたのちハンドヘルドコンピュータに入力して地盤のせん断剛性を算出する。測定から算出までの一連の演算にこれまでは約30分間を要したが、プログラムの改造により5分間程度にまで短縮できた。これらの改良により、システム全体の実用性を大幅に向上させることができた。 2.模型砂地盤を用いて砂のせん断剛性を実測し、別に実施した板たたき法による結果と比べてみた。本測定システムの原理は単純であるが、土のせん断剛性と地盤のばね定数との関係を予め調べておく必要があるため行なったが、従来の理論では十分説明できない結果が得られた。すなわち、地盤のばね定数は土の剛性に正比例するものと従来考えられていたが、本システムで測定した限りでは剛性の平方根に比例する傾向がある。これは新たな研究課題を提供するものと言える。 3.本システムの計算プログラムに必要な土の剛性と地盤ばね定数の関係は、既往の理論や数値計算結果だけから推定するのは望ましくない。原位置測定を実施する前に予め現場の土を用いてシステムの検定を行なうことが測定の信頼度を高める上で重要であることが判明した。現在のシステムが直ちに適用できる範囲は、地盤のせん断剛性が50〜150kgf/cm【^2】の軟弱なものであり、盛土工事の施工管理には適している。しかし、粒度の粗い礫を含む場合には振動体の設置が困難であるため比較的均質な粘土ないし砂地盤に適用範囲が限られる。
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