研究課題/領域番号 |
59850087
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎・土質工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴田 徹 京都大学, 防災研, 教授 (20027212)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1985年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1984年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | コーン貫入試験 / 液状化 / 振動 / 過剰水圧 / 現場試験 / 土槽実験 |
研究概要 |
最近の土質工学研究の動向は、室内における要素試験よりも、原位置でのサウンディングを重視する傾向が見受けられる。それは土の構成式が精緻になり、土質定数を求める室内試験の精度が向上しても、地盤のモデル化が十分でないと地盤挙動の予測が満足に行えないことが主たる原因と考えられる。本研究は、簡単な操作でしかもできるだけ豊富な地盤情報を得る目的で試作した三成分コーン貫入試験機の実用化をはかるもので、得られた主な成果は次のようである。 1.静的コーンの先端抵抗と間隙水圧より,砂質系地盤の液状化抵抗が推定できる簡単な実用式が導かれた。すなわち過去の地震における液状化履歴を文献調査し、標準貫入試験のN値をコーン抵抗に換算することによって、液状化に対する限界のコーン抵抗値を求めた。この実用式は、有効土かぶり圧力と地盤土の粒度が分かれば、精度良く液状化安全率を推定できることが実証された。 2.大阪湾岸の臨海埋立て地盤を対象とした現場試験、ならびに大型土槽内の模型地盤による室内実験の結果から、振動コーン抵抗と静的コーン抵抗の比率が、液状化判定の有用な指票となることが分かった。すなわち道路橋示方書などで実用化されているN値に基づく液状化抵抗と、上記の動的/静的コーン抵抗比が非常に良い対応関係を示すので、原位置試験として振動コーンを併用するのが有効であると結論された。 3.大型土槽内に造成した模型地盤によって、コーン試験の基本的事項を調べた。その内容はコーン抵抗に及ぼす有効土かぶり圧力の影響、振動コーン貫入時の発生過剰間隙水圧、静的コーンの貫入速度と抵抗の関係、コーンに取り付けた間隙水圧センサーの位置などである。 これら基本的事項をほぼ解明し、その結果を臨海埋立て地盤の調査に適用することにより、試作試験機の実用化が可能となった。
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