研究課題/領域番号 |
59850109
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属製錬・金属化学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
川上 正博 豊橋技科大, 工学部, 助教授 (30016597)
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研究分担者 |
藤井 徹也 川崎製鉄(株)鉄鋼研究所, プロセス研究部製鋼研究室, 主任研究員
伊藤 公允 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00023060)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
34,700千円 (直接経費: 34,700千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1984年度: 29,000千円 (直接経費: 29,000千円)
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キーワード | クロム鉱石 / 鉄浴 / スラグ / 溶融還元 / 新プロセス開発 / 反応工学的解析 / 速度論的解析 / 酸化クロムの溶解 / 粉体吹込み / 反応機構 / 還元速度 / 溶融スラグ |
研究概要 |
クロム鉱石の紛末を溶鉄中に底吹きし、溶鉄中の【C!_】により還元するというFe-Cr合金製造の新プロセスの開発研究を行なった。 20kg規模の実験により、まず、このプロセスの可能性の高いことを実証した。次に、クロム還元速度に及ぼす温度、鉱石吹き込み速度、紛末粒径、キャリアガス流量等の影響を明らかにし、反応工学的検討を行なった。また、環元過程におけるSiの挙動やクロム還元速度に及ぼす【Cr!_】含有量の影響を明らかにし、プロセスの速度論的検討を行なった。最後に、未還元鉱石を更に還元し、クロム回収率を上げるためには、溶鉄表面にスラグを置き、一旦、スラグ中に溶解させた後、還元させる必要のあることを指摘した。 クロム鉱石のスラグ中への溶解還元挙動を明らかにするために、小型の実験を行ない、黒鉛+スラグ+鉱石を加熱した場合の、酸化鉄の優先還元や還元速度に及ぼす諸条件の影響を明らかにした。溶鉄表面に鉱石とスラグを投入する実験では、スラグ中への鉱石の溶解と、その溶鉄中【C!_】による還元速度を求め、その反応の律速機構等に関する検討を行なった。スラグ中への酸化クロムの溶解度の測定も行ない、炭素との共存下では、溶解度が著るしく増大することを明らかにした。最後に、クロム紘石の予備還元焼結に関する実験を行ない、還元開始温度や最適加熱パターン等基礎的な知見を得た。 5t試験転炉を用いた実験では、炭材と【O_2】の燃焼反応が同時に進行する条件下でも、クロム鉱石の溶融還元が十分進行することを実証した。鉱石を底吹きした時の還元の結果を上記20kg規模の結果と比較検討し、クロム回収率向上のためには、鉱石を【O_2】と共に吹き込み、火点の高温域で溶融することが重要であることを明らかにした。ただし、鉱石を底吹きする時には、輸送配管の損耗が激しいという工業的問題点が明らかとなり、微紛炭燃焼炎中を通すという新しい上吹き法を開発した。
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