研究分担者 |
戸田 幸生 リケン株式会社, 新製品企画室, 研究員
小口 昌弘 帝国ピストンリング株式会社, 技術開発部, 主任研究員
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00161571)
井上 明久 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (10108566)
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配分額 *注記 |
15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1984年度: 12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
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研究概要 |
昭和59年度の本研究予算で設置した真空ホットプレス機を用いて、昭和61年度では、1.Pd-Ni-P系アモルファス合金を用いて、ガラス遷移挙動とアモルファス圧着体の成形性との相関性および得られた圧着体の密度,組織,機械的性質、熱的安定性を解明すること、および2.鉄系のアモルファス合金粉末を用いて、ホットプレス法による高密度な焼結材の形成および得られた塊状焼結材の密度,組織,機械的強度,硬さ,耐磨耗性を調べ、耐熱耐磨耗合金を開発するための基礎的知見を得ることを目的とした。 (1)過冷却液体領域が結晶化温度以下の広い温度域で現われるPd-Ni-Pアモルファス合金粉末の圧着性と過冷却液体の粘性,比熱,エンタルピーとの関連性を調べた結果、過冷却液体の粘性が【10^(11)】ポアズ以下に低下する温度域では3秒の短時間でもほぼ100%の密度をもつアモルファス圧着体が得られることおよび得られた圧着体の比熱やエンタルピーは急冷したままのアモルファス合金粉末と大きな差異はないことが明らかになった。 (2)Fe-Cr-Mo-C,Fe-Cr-Mo-C-Si,Fe-Cr-V-Siなどの高炭素高合金鋼アモルファス粉末は950℃〜1150℃の温度域で約60MPaの加圧力下で10〜30分間プレスすることにより、約100%の真密度をもつ塊状材(10mmφ×8mm高さ)を得ることができた。しかも、これらの塊状材は約0.2um径の微小な合金炭化物を高硬度なマルテンサイト母相中に均一かつ高密度に含み,10000〜14000MPaの高い硬さと粉末高合金耐磨耗鋼に匹敵する良好な耐磨耗性を有すると共にその高い硬さが約700℃の高温域までほとんど変化しない良好な耐熱性を示すことを明らかにした。このように、液体急冷法によって作製した非平衡相合金粉末から得た圧着体は通常の凝固プロセスでは得られない優れた性質を示すことを明らかにできた。
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