研究課題/領域番号 |
59850118
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
草川 隆次 早稲田大, 理工学部, 教授 (90063114)
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研究分担者 |
木村 勲 新日本製鐵, 中央研究本部第二技術研究所, 所長
山崎 桓友 鶴岡工業高等専門学校, 工業化学科, 教授 (30166649)
佐藤 一則 長岡技術科学大学, 分析計測センター, 助手 (20143828)
井上 泰宣 長岡技術科学大学, 分析計測センター, 助教授 (30016133)
上野 學 長岡技術科学大学, 機械系, 教授 (70134963)
UENO Manabu The Technological University of Nagaoka, Department of Mechanical Engineering, P
KIMURA Isao Nippon Steel Corporation, R & D Laboratories, <II> , Director.
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
22,900千円 (直接経費: 22,900千円)
1986年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1985年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1984年度: 14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
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キーワード | Mn-Al鋼 / Mn-Al-Fe系状態図 / 加工誘起マルテンサイト変態 / 機械的性質 / 電磁気的性質 / 耐食性 / 表面処理 / 耐高温腐食性質 / 熱間加工性 / 冷間加工性 / プレス成型性 / 溶接性 / 光輝焼鈍 / 窒化(ガス、イオン) / 室温・低温機械的性質 / 耐酸化性 / 耐高温腐食性 / イオン窒化 |
研究概要 |
Mn-Al-Fe系三元状態図の800〜1100℃におけるγ相安定領域(20,30%MnにおけるAlの固溶限)を決定し、さらにγ→α′変態およびγ相の加工誘起マルテンサイト変態におよぼすAlの影響を明らかにした。これによってMn-Al-Fe合金の機械的性質と組織(組成)との関係が把握され、同性質がMn含有量(<10%Mnと20〜40Mn)によって、それぞれ特徴的な性質を示すことが判明した。<10%Mn鋼では室温の組織はフェライトで、熱処理によってベーナイト,α′相に変態するに対し、20〜40%Mnではγ組織で、加工するとα′,またはεに変態し硬化するためプレス加工など変形挙動に著しい影響を与える。しかも、オースデナイト系Mn-Al鋼は同じγ相でもAS(33Mn-7Al-0.5C-0.05Si)ではn値が0.3であるのに対し、HD(30Mn-10Al-1C-0.05Si)とHF(同組成+0.7Si)は0.1と低く、変形塑性域における挙動が異り、後二者はLDRに優れ、【δ_β】,εlも共にSUS304よりよい結果を示した。また、ASにおいては【δ_β】,εlは液体窒素温度でも維持され、低・中炭素オーステナイト系Mn-Al鋼は低温用材料にも適することが判明した。以上の結果から、本系鋼は低温と常温用の中板または薄板に適し、機械的にはSUS304に匹敵することが分った。しかもMn,Al量を用途に応じて選択すれば、耐高温腐食性(高Mn-低Al),耐酸化性(高Al-低Mn)に優れた特性を発揮することが明らかとなった。湿食に対しては、交流インピーダンス法と評価すると、FeとFe-Al合金の中間にあることが分かり、SUS304同等の耐食性を発揮せしめるには、表面処理が有効であるが、光輝焼鈍では不十分で、イオン窒化,ガス窒化を必要とする。なお溶接性はC,Si(ともにZ0.5%)によってはビード割れを起し、熱間加工でも鋳造組織を残す鋼塊では高圧下,高否速度圧延で割れを生ずるため、今後の改良が必要である。
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