研究課題/領域番号 |
59850136
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鹿川 修一 長崎大, 工学部, 教授 (80037746)
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研究分担者 |
松本 英之 日揮株式会社, 技術開発部, 主任研究員
渕田 吉男 長崎大学, 工学部, 助手 (00100884)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1984年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | キャリヤー輸送 / 膜分離 / 気体分離膜 / 高分子膜 / オレフィン / 酸素 / 膜 / 分離 / 収着 / 透過 / 酸素錯体 / カルボニル錯体 |
研究概要 |
1.本年度は低分子オレフィン(エチレン,プロピレン)の促進輸送について重点的に研究を行い、以下の成果を得た。 (1)種々の金属塩/液体高分子系についてオレフィンの収着を調べた結果、Pd【Cl_2】およびPt【Cl_2】/ポリエチレングリコール(PEG)-300系で不可逆収着が、またRh【(NO-3)-3】/PEG-300系で可逆収着が認められた。(2)ガラス繊維ろ紙含侵固定化液体膜として透過測定を行ったところ、PEG-300に【Rh^(3+)】塩を添加することにより【N_2】に対するオレフィンの透過係数比は約1.5倍向上し、オレフィンの促進輸送が確認された。ただしIR,ESR,UV-Visなどの分光学的測定から錯体生成の証拠は得られず、【Rh^(3+)】とオレフィンの相互作用はかなり弱いことが推測された。(3)【Rh^(3+)】/PEG系にKN【O_3】を添加するとオレフィンの透過選択性はさらに向上し、PEGのみの場合の約2倍となった。これは添加塩の塩析効果によりPEGへの気体のHenry型溶解が減少したためと考えられる。 2.さらに【O_2】の促進輸送について実験を追加し、新しく次の知見を得た。 (1)人工【O_2】キャリヤーとして知られている一連のSaltmenタイプの【Co^(2+)】錯体を合成し、これを固体ポリマー(ポリスルホン,シリコーンゴム)および液体オリゴマー(PEG-300)に溶かした膜について【O_2】の促進輸送を調べたが、これらの【Co^(2+)】錯体による促進輸送は固体ポリマー系では全く起らず、PEG溶液系では低温でわずかに認められる程度であった。(2)【Co^(2+)】錯体/PEG系について【O_2】に収着を調べた結果、【O_2】結合定数は低分子有機溶媒系と比べて遜色ないが、【O_2】収着速度が極めて遅いことがわかった。 3.3年間の本研究において、高選択透過性キャリヤー輸送膜の開発に有益な多くの新しい知見を見出し、成果を上げることができたが、CO、オレフィンについては透過選択性の一層の向上が、また【O_2】についてはキャリヤーの劣化防止が課題として残された。
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