研究課題/領域番号 |
59850139
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
冨永 博夫 東大, 工学部, 教授 (00010760)
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研究分担者 |
此木 恵三 東洋エンジニアリング技術研究所, 所長
小俣 光司 東京大学, 工学部, 助手 (70185669)
鹿田 勉 東京大学, 工学部, 助手 (40134499)
藤元 薫 東京大学, 工学部, 助教授 (30011026)
KONOKI Keizou Toyo Engineering Corporation
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
20,500千円 (直接経費: 20,500千円)
1986年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1985年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1984年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
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キーワード | 流動床反応器 / メタノール / 一酸化炭素 / カルボニル化 / 酢酸 / 気相合成 / ニッケル活性炭触媒 / 非ロジウム系触媒 / 酢酸合成 / 流動床 / CVD法 / 活性炭 / 触媒寿命 / 触媒再生 |
研究概要 |
活性炭に担持したニッケルが5〜30気圧、200〜300゜Cの温和な条件下においてメタノールの気相カルボニル化反応による酢酸の合成に高い活性および選択性を示すことを見いだした。触媒はヨウ化メチルプロモーターの存在下、メタノールに対して4〜5倍の一酸化炭素を過剰に用いることによりメタノール転化率100%、酢酸収率97%の実績が得られた。反応の経路は下式に沿うことが明らかにされ、各単位反応の速度式によるシュミレーション結果と良い一致を示した。 活性炭担持ニッケル触媒は反応中安定であり、通常の反応条件下において50日の連続反応でその活性は1/2程度劣化したにすぎない。活性劣化の原因はニッケルの揮散によるためではなく、高沸点物質の炭素担体上への沈着によるものと考えられた。高圧でガス循環が可能な高圧流動床反応装置を組み立て、合成反応を実施した。カルボニル化生成物収量訳1kg/kg-触媒・時間の条件下においても温度分布はほとんど均一であった。また反応成績は固定床反応器のそれと同程度あるいはそれ以上であった。その成績は工業化するに十分な値と推測された。本ニッケル触媒はまた一酸化炭素中に通常含有される水素によって選択性を変えることなく活性が著しく向上することを見出した。水素は前式で示した各単位反応中の特定の反応ではなく全反応を促進することが明らかとなった。しかし反応物中には気相水素はほとんど取込まれず、その影響は間接的なものである。 現在の反応成績をもとに本方法のフィージビリティスタディを実施した結果、現在プロセスと十分競争し得る可能性をもつことが明らかになった。
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