研究課題/領域番号 |
59850153
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 北九州工業高専 |
研究代表者 |
原口 俊秀 北九州工業高専, その他, 教授 (00038598)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1984年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | プラズマ重合 / 薄膜 / ガス分離 / ヘキサメチルジシロキサン / ヘキサフロロベンゼン / 架橋 / 錯形成基 / 金属イオン抽出 |
研究概要 |
本年度はプラズマ重合膜の気体分離膜としての可能性をさらに追求するために、昨年度に続きこの方面の研究を行なった。同時に、実施計画に沿って、キレート性官能基の固定についても研究を開始した。気体透過性に関してはモノマーとして主にヘキサフロロベンゼン(HFB)を用い、ミリポアVS、多孔質セラミックス板(以上平板型)及び、ポリスルホン中空系の基板上に重合膜を堆積させた。その際、平板型基板は新たに作製した温度調節可能な水平電極上に固定して、ベルジャー内で、また、中空系は所定サイズにポッティング済のものを十字ガラス管内で上下させながら各々プラズマ処理した。種々の条件下で得られた重合膜の構造解析と気体透過実験の結果から次のことが判明した。(1)基板の細孔径の約10倍の厚さの重合膜でその複合膜は気体分離能を示しはじめる。(2)各モノマーについての放電エネルギーの複合因子W/FMの値はその重合膜の凝集構造に大きく影響し、HFBの場合、重合膜が酸素富化性能を最もよく示すのはW/FM=6〜7×【10^7】[J/Kg]のときである。(3)セラミックス基板上の重合膜の透過性の温度変化測定と収着実験の結果から、HFB重合膜の気体溶解性は市販のどの高分子材料のそれより大きく、【O_2】と【N_2】のこの膜による分離は拡散係数の差による。(4)重合後の熱処理で透過速度は約1桁上昇する。(5)得られたHFB重合膜の【O_2】分離係数は283Kで4.5であった。 キレート性官能基のプラズマ重合による固定についての研究の第一段階としてホスホニウム化合物を合成し、これによる金属イオンの溶媒抽出実験を行なった。その結果、いずれの試薬も各金属イオンの分離に適用でき、特に、Pd(【II】)とCo(【II】)を塩酸又は臭化水素酸中から定量的に抽出できることがわかった。 なお、本年度の補助金で購入した膜厚計とレコーダーは各々重合操作のモニタリングと透過実験の場合に十分活用された。
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