研究課題/領域番号 |
59860021
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
川内 浩司 北里大, 水産学部, 教授 (70050523)
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研究分担者 |
守 隆夫 東京大学, 理学部, 助手 (80011659)
鈴木 敬二 北里大学, 水産学部, 助教授 (80050459)
平野 哲也 東京大学, 海洋研究所, 教授 (70013571)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1985年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1984年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 成長ホルモン / プロラクチン / シロサケ / ウナギ / コイ / クジラ / 一次構造 / cDNA / 塩基配列 / 分子進化 / 液浴 / 胃内投与 / ラジオイムノアッセイ / 浸透圧調節 / CDNA / サケ成長ホルモン / ウナギ成長ホルモン / コイ成長ホルモン / 成長促進 / 遺伝子組換え / 脳下垂体 / 免疫組織染色 / 海水適応 |
研究概要 |
成長ホルモンは脊椎動物の脳下垂体から分泌されるタンパクホルモンであり、その名前の通り動物の成長を促進する。魚類の成長ホルモンを成長促進剤として増養殖に応用するために、本研究では、1).水産資源として重要なシロサケ、ウナギおよびコイの脳下垂体から、抽出あるいは器官培養によって成長ホルモンを精製し、一次構造を決定し、生物学的諸特性を明らかにした。2).シロサケおよびウナギの成長ホルモンの一次構造を基に、協和醗酵工業東京研究所との共同研究により、各々の成長ホルモンのcDNAを単離し、塩基配列を決定した。これらのcDNAを大腸菌に組み込んで、サケおよびウナギの成長ホルモンの大量生産を可能とした。3).遺伝子組換えによって生産される成長ホルモンを用いて、魚類への投与方法を検討し、液浴および胃内投与によって、魚類成長ホルモンの水産増養殖への応用に必要な課題を解決した。さらに、構造を基に分子進化ならびに構造と活性の関係を明らかにするために、魚類のプロラクチンおよび哺乳類の一種、クジラの成長ホルモンおよびプロラクチンを単離し、構造決定し、魚類ホルモンと比較した。魚類と哺乳類の成長ホルモンおよびプロラクチンの間で変異の少ない構造部分を特定した。また、一次構造に基づいて成長ホルモンとプロラクチンの分子の系統樹を作成した。両者の分岐の時期は約5億年前となり、成長ホルモン様タンパクの遺伝子は無脊椎動物に起源を有すると推定した。ラジオイムノアッセイ系を確立し、プロラクチンが魚類の淡水適応時の浸透圧調節に関与するのに対して、成長ホルモンは魚類の海水適応関与すること、海水中で成長しない、スタント,ギンザケの血中ホルモンレベルは、正常に成長するものの2倍から3倍も高いことなど、魚類生理学上新知見を明らかにした。
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