配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1984年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
農業用水を主体とする水利システムは、近年における施設製備の進展により大きな変貌をとげ、またその管理をとり巻く環境も農業及び土地利用の急激や変化により直接的な影響をうけている。そこで、新しい社会的,技術的環境における水管理システムの開発が強く要請されている。このような背景から行われた本研究の要点は次のようにまとめられる。 1.用水管理システムは個別の地域における水系パターンによって強く規定される点に着目し、水系パターンを水系組織,水源の種類,農業構造などから体系的に分類した上で、全国的視野から代表的水系(石狩川,小貝川,信濃川下流などの低平地域の水系,愛知川,野州川などの湖岸地域の水系,溜地群を中心とした讃岐平野の水系,クリークを主体とした嘉瀬川水系など)を選び、各水系についてそれぞれの水利システムの特徴と水管理の内容を分析し、将来の水管理改良の手法を検討した。 2.水系における水利システムを本研究での分析の過程で、水利施設システムと水管理システムに分けて整理した。すなわち、それぞれ、水源から圃場までの用・排水系でのすべての施設系と、それらを運用,操作,維持管理する人間を含むソフトなシステムとに分けて分析することに成功した。 3.各水系別に、水利施設システムと水管理システムは、調査したすべての水系で、互に密接に相互連動し、一方が他方の構造決定の要素となるダイナミックスとして歴史的に変動していることを明らかにした。 4.水管理の目標と将来の方向について検討を加えた結果、少なくとも管理目標は水利システムの多様化の中で、水系の水管理の特徴の完全な表現として位置づけられていることから、水系の特異性を考慮して設定されるべきであることを明らかにした。
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