研究課題/領域番号 |
59870002
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
田中 敬一 鳥取大, 医学部, 教授 (00031948)
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研究分担者 |
満嶋 明 鳥取大学, 医学部, 助手 (80116376)
森 金太郎 日立工機(株), 精機部, 主任技師
MORI Kintaro Hitachi Koki,Co.Ltd.
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1984年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | イオンビーム / 金属蒸着 / 走査電子顕微鏡 / 高分解能 / 極微粒子 / 白金 / 蒸着 / 高分解能走査電子顕微鏡 |
研究概要 |
走査電顕の分解能は最近飛躍的に向上している。従って観察試料に施す金属蒸着法も従来の方法(抵抗加熱型やグロー放電スパッタ型)では粒状性の点から高分解能観察には不適当となった。そこで我々はイオンビーム・スパッタリングを用いた走査電顕試料用の金着蒸着装置を試作し、走査電顕の高分解能化に対応すべく研究を行った。 装置の構成は蒸着室(イオンビーム銃,蒸着金属,試料台,膜厚計)、真空排気系、コントロール部、の3部である。イオンビーム銃にアルゴンガスを導入しアルゴン・イオンビームを発生させ白金のスパッタ蒸着を行なった結果、直径15〜20【A!°】程度の細かい粒状性を持つ蒸着膜を得ることが出来た。この結果は従来の方法における50〜60【A!°】直径以上という粒状性に比べて、格段に優れていた。また、従来の方法では蒸着膜厚が増加するにつれ粒状性が悪化し、大きな島状構造を形成するが、今回の方法では粒状性は常に一定で蒸着膜厚に無関係であり、島状構造を形成しなかった。 生物試料に10【A!°】厚の白金蒸着を施し超高分解能走査電顕で観察した所、導電性能や二次電子収量も十分で実用上全く問題はなかった。この装置では従来の方法では蒸着困難であったタンタルやタングステン等の蒸着も容易に行なう事が可能であり、優れた粒状性(直径10【A!°】以下)示したが、走査電顕試料への蒸着金属としては二次電子収量が白金に比較して少ないという難点があった。 以上のように今回試作したイオンビーム・スパッタ蒸着装置は、従来の蒸着方法に比べてはるかに高性能であり、高分解能走査電顕観察においては非常に良い結果を示した。今後は、このような装置は走査電顕観察における蒸着に必須の装置となるであろう。
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