研究課題/領域番号 |
59870017
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
家森 幸男 島根医大, 医学部, 教授 (80025600)
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研究分担者 |
沢村 誠 島根医科大学, 医学部, 助手 (00187303)
奈良 安雄 島根医科大学, 医学部, 助手 (80116417)
堀江 良一 島根医科大学, 医学部, 助教授 (60127529)
KIHARA Masahiro Shimane Medical University
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1984年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | ネフローゼ / 蛋白尿 / 微小変化群 / 足突起融合 / ステロイドホルモン / 高血圧 / ネフローゼ自然発症ラット(SNR) / 血清アルブミン / クレアチニン / コレステロール / 副腎皮質ホルモン |
研究概要 |
ネフローゼの自然発症モデル動物の系統を確立する目的で世界各国より集めた代表的ラットの近交系30系統について蛋白尿を精査し、OM系が比較的早期よりより強い蛋白尿を示すことから選択交配を開始し第2年度にひきつづき選択的兄妹交配を継続し、ついに幼年期より強い蛋白尿を示し生後6ケ月以内に強い腎障害を自然発症する系統を分離した。すなわち、生後4-5週より蛋白尿は雄(33.2±13.6mg/day)雌(22.0±13.1),21-22週で雄(197.3±55.6mg)雌(93.2±28.3)と加齢と共に直接的に増加した。腎は両側黄白色調で腫大し、病理組織学的にはメサンギウム基質の軽度増生,糸球体係蹄のホウマン襄への癒着が散見され、加齢と共に近位尿細管の拡張を伴い蛋白円柱が管腔内に多く認められた。電顕的には、加齢と共に上皮細胞足突起の融合が見られ糸球体基底膜も肥厚していた。これらのOM系はヒトの微小変化群と病理学的に類似しているため、第2年度に引き続きステロイド療法(プレトニゾロン3mg/kg経口的に連続投与)を実施したが必ずしも臨床像もまた病理像も改善せず、ステロイド治療に反応し難い難活性ネフローゼであることが確かめられた。 OM系は血圧は最高でも160mmHgで本年度はさらに腎障害に対する血圧の影響を観察するため、脳卒中易発症自然発症高血圧ラット(SHRSP)との交配を開始した。F1はほぼ中間の血圧を示しF2分離世代では生後10週で正常血圧130mmHgから200mmHgに分離し、蛋白尿も軽度の個体からOM同様の強い個体もみられた。これらの中より比較的血圧が高く腎障害の強い個体間の交配を実施し、高血圧、腎障害合併モデルの作成につとめているが、これらの個体は産仔数が低下し病理学的な検索が困難となっている。 以上、OM系の中よりヒトの難活性ネフローゼに近いモデルを確立したが病理学的には微小変化群に相当し、今後その病因の解明と共に有効なネフローゼの開発にきわめて有用と考えられる。
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