研究課題/領域番号 |
59870037
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
北川 照男 日大, 医学部, 教授 (50058765)
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研究分担者 |
片山 純男 (株)雪印乳業, 食品化学研究本部, 副本部長
大浦 敏明 大阪市更生療育センター小児科, 所長
五十嵐 裕 東北大学, 医学部小児科, 講師 (70101144)
荒井 綜一 東京大学, 農学部農芸化学科, 助教授 (20011934)
青木 菊麿 総合母子保健センター, 研究開発部, 部長 (20056584)
OURA Toshiaki Director of Osada Municipal Rehabilitation Center for the Disabled
KATAYAMA Sumio Director of Technical Research Laboratories Yukijirushi (Snow Bland) Milk Manufa
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
29,100千円 (直接経費: 29,100千円)
1986年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1985年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
1984年度: 13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
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キーワード | フェニールケトン尿症 / 低フェニールアラニンペプチド / フェニルアラニン低フェニルアラニンミルク / 低フェニルアラニンペプチドミルク / PKU妊娠の胎児障害 / フェニルケトン尿症 / 低フェニルアラニンミルク / 低フェニルアラニンペプチド / 血清フェニルアラニン |
研究概要 |
乳清タンパク質(WPC)にペプシンを作用させ、次いでエキソペプチダーゼとしてプロナーゼを作用させてフェニルアラシン(Phe)を遊離させ、これをSephadexG-15によるゲル評過で吸着除去して低フェニルアラニンペプチド(LPP)を高収率で得る方法を確立した。(荒井班員)これを工業的に生産する条件を検討し、酵素反応過程でpHの調正時に生成されるNaClがミルクを調製する場合に問題となるので、中性プロテアーゼ(Streptomy ces griseus)一段反応とし、酵素反応後の精製には活性炭による吸着分画が優れていることを明かにし、3年間に約70kgのLPPを製造した。昭和59年度のLPPにはNa含量が高く、微量ながら重金属が含まれるなど乳児を治療するためのミルクの調製は困難であったが、一応LPPミルクとして調製し、年長児と成人の味の評価を試みた。その結果、味はアミノ酸混合治療用ミルクAAMミルクより優れていることが明かにされたが、長期間味の悪いAAMミルクで治療された幼小児では、かえって正常成人や年長児が味が良いとするLPPミルクを嫌う傾向がみられた。昭和60年度以降はNa含量も少く、重金属も含まれていないLPPが提供され、これを使用してLPPミルク329kgを調製した。その成分の変動幅は小さく、品質は信頼性に富み、風味と滲透圧が改善されたPKU用治療乳となった。このLPPミルクのモルモット腸管吸収試験成績は極めて良好で、ウイスター系雄ラットのLPPミルクによる飼育実験でも、AAMミルクと比較して栄養学的に同等或いはそれ以上と推測された。ヒトPKUの治療成績は、風味と滲透圧が低い点でAAMミルクより優れており、乳児期より治療をはじめた6例のPKUにおいて、これまでのAAMミルクと同じ程度の治療効果を示すと共に、著明な副作用はみられなかった。その最長使用期間は1年4か月である。また、妊娠の可能性のあるPKUの婦人に与え、PKU妊娠の胎児障害の予防も試みた。
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