研究課題/領域番号 |
59870042
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都府立医科大学 (1985-1986) 秋田大学 (1984) |
研究代表者 |
高橋 俊雄 京府医大, 医学部, 教授 (50079828)
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研究分担者 |
山根 哲郎 京都府立医科大学, 第一外科学教室, 助手 (50166766)
山口 俊晴 京都府立医科大学, 第一外科学教室, 助手 (90111327)
咲田 雅一 京都府立医科大学, 第一外科学教室, 講師 (40117883)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1984年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 活性炭 / 化学療法 / 抗癌剤 / リンパ節転移 / 腹膜播種性転移 / 微粒子活性炭 / 癌性腹膜炎 / MMC |
研究概要 |
癌化学療法を効果的に行うためには、癌細胞にだけ選択的に毒性を示し正常細胞には毒性を示さない薬剤の出現が理想である。しかし、現時点ではこのような薬剤はないので、既存の抗癌剤の剤型を工夫して出来るだけ抗癌の癌選択性を高める工夫がなされている。本研究では活性炭というこれまでにない全く新しい抗癌剤の剤型を開発し、本剤が癌のリンパ節転移を播種性転移に極めて有効性が高いことを基礎的ならびに臨床的にも明らかにすることが出来た。 微粒子活性炭は多量の抗癌剤を吸着することが出来る。また、吸着された抗癌剤は活性炭周囲の薬物濃度が低下したとき活性炭から離脱される。しかも、微粒子活性炭を組織内に投与すると血管系からは吸収されずリンパ系から吸収され投与した所属リンパ管、リンパ節は黒染される。これらの微粒子活性炭の性質を利用して、活性炭に抗癌剤を吸着し(活性炭吸着抗癌剤)これを癌性胸・腹膜炎の治療およびリンパ節転移の治療に応用した。試験的に癌性腹膜炎のモデルに活性炭吸着マイトマイシンCを投与したところ、マイトマイシンは長時間高濃度を示し、通常のマイトマイシン腹腔内投与より著しい効果を示した。これを臨床的にも癌性胸腹膜炎に74例の患者に応用し、61%の有効率であった。さらに微粒子活性炭のもう一つの特性であるリンパ指向性を利用して、胃癌、大腸癌、乳癌のリンパ節転移の治療に応用した。活性炭吸着マイトマイシン、アドリアマイシン、ブレオマイシンなどを組織内に注入すると、速やかにリンパ管、リンパ節は黒染され外科的郭清の指標として有用性が高いと同時に、郭清の困難な遠位リンパ節には高濃度の抗癌剤が分布するので、リンパ節転移の化学療法としても極めて有効である。すでに本剤を臨床的に100例以上の患者に応用し、良好な結果が得られている。
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