研究課題/領域番号 |
59870051
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
下地 恒毅 新大, 医学部, 教授 (30040158)
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研究分担者 |
遠藤 裕 新潟大学, 医学部, 助手 (90168831)
羽柴 正夫 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (30108047)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1984年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | カテーテル電極 / 組織血流 / 酸素分圧 / 脊髄誘発電位 / 硬膜外腔 / 電解式水素クリアランス / 脊髄背面電位 |
研究概要 |
麻酔中あるいはICUにおける中枢機能モニターのため、硬膜外腔に特殊なカテーテル電極を挿入し、局所組織血流、酸素分圧、電気現象を同時に測定するシステムと電極を開発した。 試作した電極は外径0.8mm、内径0.5mmのテフロン製カテーテルの先端に1cmの間隔で3個の白金イリジウム電極を配置したものである。そのうち1個はその極性を変えることにより、局所組織血流測定用または酸素分圧測定用に、他の2個を電気現象測定用感電極として用いる。応用例ではNLA麻酔下において試作電極を胸椎レベル後部硬膜外腔に挿入し、硬膜外組織血流、酸素分圧および脊髄誘発電位の測定を試みた。硬膜外組織血流は電解式水素クリアランス法により測定した。測定された硬膜外組織血流は動脈血中二酸化炭素分圧が高いほど大きく、また、NLA麻酔にさらに2%ハロセンを追加すると血流が増加し、ハロセンを切ると再低下することが観察された。一方、試作電極を感電極として近傍の皮下に基準電極をとり、頸髄あるいは腰髄膨大部硬膜外腔よりその分節所属の抹梢神経に電気刺激を加えると、初期の陽性スパイク電位【P_1】、シャープな陰性電位【N_1】、緩徐な陽性電位【P_2】よりなる脊髄誘発電位が導出された。酸素分圧については測定値の再現性に乏しく、安定な拡散電流が得られていないことから実用には改良を要する。ところで、血流測定において、電解通電時には一過性に電気現象のモニターができなくなる。しかし、この通電時間は30〜60秒ほどであり、実用上それほど支障がないように思われる。 以上、酸素分圧測定には更に改良が必要であるが、硬膜外麻酔の手技を応用する本システムにより、硬膜を破損することなく脊髄機能および局所血流を同時にモニターできることが推察された。
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