研究課題/領域番号 |
59870076
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
工藤 一郎 (1985-1986) 東大, 薬学部, 助教授 (30134612)
野島 庄七 (1984) 東京大学, 薬学部, 教授
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研究分担者 |
津島 進 武田薬品工業株式会社, 中央研究所, 主任研究員
野村 容朗 武田薬品工業株式会社, 中央研究所, 主席研究員
野島 庄七 帝京大学, 薬学部, 教授 (70090470)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
NOMURA Hiroaki Takeda Chemical Industry Ltd.
TSUSHIMA Susumu Takeda Chemical Industry Ltd.
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1985年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1984年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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キーワード | アルキルホスホリピド / グリセログリコリリピド / マクロファージ / 血小板活性化因子 / 抗腫瘍活性 / リゾリン脂質 / 糖脂質 |
研究概要 |
(1)新しいタイプの誘導体の検索;スクリーニングの結果、新たに1-octadecyl-2-acetoacetylglycerophosphocholine(化合物【I】)に、リード化合物である1-octadecyl-2-methylglycerophosphocholine(化合物【II】)に匹敵する強い抗S180,抗MM46活性を見い出した。他に数種新規化合物で杭腫瘍性を示すものを見い出した。 (2)抗腫瘍リン脂質の作用機作:sn-3型の化合物【I】【II】ともに、近年種々の生理活性を持つことが示されている血小板活性化因子(PAF)の活性を持っていることがわかった。皮下移植したS180固型癌を静脈投与で治療する場合にもsn-3型の配位のものがより有効であった。つまり、化合物【I】,【II】はマウスの免疫担当細胞のPAF受容体への化合物の結合を介して宿主介在的に抗腫瘍性を示すものと予想された。さらに、マウス骨髄細胞を化合物【I】で処理すると抗腫瘍細胞が誘導されること,PAF特異的結合サイトはマウス末梢血液細胞には存在しないが、免疫担当細胞の前駆細胞を含む骨髄細胞には存在することを見い出した。以上より恐らくPAF活性を持つアルキルリピド誘導体は骨髄細胞に作用し抗腫瘍性を持つ細胞に変化するものと予想された。一方、PAF作用を持たないsn-1型化合物にも強い癌細胞障害活性があること(ヒト前骨髄球系白血病細胞HL-60に対して【IC_(50)】値1.6M)、非特異的な宿主細胞活性化能のあることを見い出した。 (3)糖脂質:数種の合成グリセログリコリピド(例,Cellobiocyl di palmitylglyceride)がマウス腹腔細胞(主にマクロファージ)を活性化し、抗腫瘍性を示すようにすることがわかった。この活性化は糖脂質リポソーム中のコレステロール量を増すと消失した。このことは、リポソーム上で糖分子が規則正しく並ぶ構造が腹腔マクロファージ活性化反応に必須であることを示唆しているものと思われる。
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