研究分担者 |
藤野 政彦 武田製薬中央研究所, 化学研究所, 所長
柳澤 光彦 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (90159252)
FUJINO Masahiko Takeda Chemical Inductries, Ltd., Central Research Div. Inst. of Chemistry, Dire
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1984年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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研究概要 |
今年度はP物質拮抗薬[D-【Arg^1】,D-【Trp^(7,9)】,【Leu^(11)】]SP(Spantide)と、矢内原昇教授により最近合成された含フッソペプチド[D-【Arg^1】,【Leu^3】,D-phe【(F)^5】,D-【Trp^(7,9)】,【Ala^(11)】]SPの薬理学的性質を明らかにするため以下の実験を行なった。[Spantideの効力と特異性]実験には新生ラットの摘出脊髄を用いた。脊髄の灌流液中にP物質(SP)を少量(2μM,0.05〜0.8秒)注入すると運動ニューロンの脱分極が前根から記録され、この脱分極はSpantideの存在下で著しく抑制された。次に、Spantide(2〜16μM)の抑制作用の強さと特異性を詳細に検討するため定量的な実験を行った。競合的拮抗薬の効力を示す指標p【A_2】は5.4で、その特異性もかなり優れていることを証明した。一方[D-【Arg^1】,【Leu^3】,D-phe【(F)^5】,D-【Trp^(7,9)】,【Ala^(11)】]SPもSPの作用を用量依存性に抑制し、そのp【A_2】は4.98で、Spantideに比べても効力はそれ程劣らないことを明らかにした。[侵害反射電位に対するSpantideの作用]実験には摘出脊髄-尾標本と摘出脊髄-伏在神経-皮フ標本の2つの標本を用い、化学的に誘発される侵害反射電位に対するSpantideの影響を調べた。尾あるいは皮フの灌流液中に少量のcapsaicin(1μM,100〜200μl)を圧パルスで注入すると、腰髄節前根(L3-L4)から約30秒続く侵害反射電位が記録された。これらの反射電位はSpantideにより著しく抑制されたが、後根あるいは閉鎖神経により誘発される単シナプス反射,多シナプス反射は全く影響されなかった。[C-線維反射に対するSpantideの作用]この実験には脊髄に大腿神経,伏在神経,閉鎖神経がつながったまま取り出した標本を用いた。伏在神経を刺激すると20〜40秒持続する脱分極性のC-線維反射が腰髄節前根から記録された。この反射はSpantideにより著しく抑制された。またこの反射はモルヒネ,エンケファリン,ガラニン,ソマトスタチンなどにより著しく抑制された。
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