研究課題/領域番号 |
59880002
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山中 千代衛 大阪大学, 工, 教授 (10028920)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1984年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | レーザープラズマ / ウラン濃縮 / 核励起 / 核異性体 |
研究概要 |
【^(235)U】の原子核には低エネルギーの励起状態(核異性体)があり、効率よく核励起が行えれば、新しいウラン濃縮法として有望である。内殻軌道に電子孔を作り、電子遷移を利用すれば核励起が可能であり、レーザープラズマ中での核励起について基礎研究を行った。 1) 天然の金属ウランに【CO_2】レーザー光を集光照射し、プラズマ中のウランイオンを電極上に捕集したウランから電子放出が観測され、電子のエネルギーおよびその半減期より、【^(235)U】が核励起され、核異性体が生成されていることを確めた。 2) 励起核数より核励起断面積を見積り、理論的に示される断面積とほぼ一致することを示した。 3) プラズマ中の電子との衝突により、ウラン原子の内殻電子が放出される。核励起に寄与する準位に電子孔を作る確率はプラズマ中の電子温度に依存する。レーザーの集光条件を変えてプラズマの温度を変化させ、核励起の確率を測定した。その結果核励起確率の電子温度依存性は、理論的に予想されるものとほぼ一致した。【^(235)U】が核励起され、核異性体が生成されていることを確めた。 4) プラズマ中での電子遷移による核励起では、プラズマ中の電子密度に比例して励起核数が増大すると予想される。レーザー光の遮断密度領域で核励起が誘起されると考えると、遮断密度はレーザー光波長の2乗の逆数に比例するため、核励起効率はレーザー波長の2乗に逆比例して増大するはずである。波長10.6μmの【CO_2】レーザーと、波長1.06μmのNd:YAGレーザーを用いて核励起実験を行い、上記の特性を実験的に確めた。レーザー核融合と同様に、球形のウランペレットを用いて爆縮を行わせれば、高密度が得られ、有効な核励起が可能となる。
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