研究課題/領域番号 |
59880012
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
石村 巽 慶応義塾大学, 医, 教授 (40025599)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
1985年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1984年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | 酸素活性化機構 / 生体酸化 / 赤外分光光度計 / 赤外迅速測定装置 / 二原子酸素伸縮振動 / ストップドフロー赤外計 |
研究概要 |
酸素分子(【O_2】)は生理的条件、すなわち常温、常圧、中性付近ではそのほとんどが反応性に乏しい基底三重項状態にある。したがって生体により迅速かつ円滑に利用されるためには生触媒によって活性化される必要があり、この活性化された酸素の本体ならびにその生成機構の解明は生命現象研究の基本的命題の一つに数えられる。しかし現在のところ生体反応における酸素分子の電子状態を直接的に観測する手段に乏しくしたがってこの問題は未解決のまま放置されていると言って過言ではない。本研究ではヘムを含む酸化酵素がその触媒作用中に反応性に富む酸素錯体を形成することに着目し、その酸素錯体中の二原子酸素の伸縮振動を直接観測するに適した迅速測定用赤外分光光度計を開発することを目的とする。 (1) 59年度は、上記目的にかなった限定波数領域での高速掃引可能な高感度赤外分光光度計を設計・試作した。高速、高感度かつ限定波数領域という要求を満たすために慶大医、日本分光(株)の研究者、技術者間で10回近い検討会議を行なった後、1)通常の分散型赤外分光光度計の赤外検知器にMCTを採用することを決定し、2)MCTを作動させるための特殊高速変調器(チョッパー)の開発、3)高速波数送り機構の開発など新しい技術開発が行なわれた。完成した分光計はPC9801/m2ならびにその周辺機器により制御され、ストップドフロー装置や低温セルなどのアタッチメントも同時に制御可能であった。 (2) 60年度は、主として上記分光計の性能テストに充てた。市販の赤外分光光度計との比較をコバルトミオグロビン酸素化型を用いて行なった所、測定時間は1/30以下、試料濃度は約1/4にまで下げる事が出きた。また不安定中間体であるシトクロームP-450cam酸素化型も種々の工夫により捕促する事が出来た。 以上、60年度をもって本研究の所期の目的はほぼ完全に達成された。
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