研究課題/領域番号 |
59890009
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
筏 義人 京大, 国立大学(その他), 教授 (00025909)
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研究分担者 |
林 寿郎 京都大学, 医用高分子研究センター, 助教授 (90026089)
清水 慶彦 京都大学, 医用高分子研究センター, 教授 (00027111)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1984年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 医用材料 / 癒着防止材 / 生体分解吸収性材料 / ポリ乳酸 / ラクチド-カプロラクトン共重合体 / 生体吸収性高分子 / in vitro加水分解 / in vivo組織反応 |
研究概要 |
生体組織間の癒着現象は、組織の創傷や炎症などによって生じるため、生体組織の治癒後は問題とはならない。従って、癒着を防止する必要のある期間は、創傷や炎症の治癒する一定期間だけで十分であると考えられる。そこでわれわれは、生体内分解吸収性高分子であるポリ乳酸を主成分として癒着防止材を開発するために本研究を開始した。その結果、ポリ乳酸により生体組織の癒着が防止できることを明らかにした。しかし、材料が固すぎると、周囲の軟組織に物理的な刺激による炎症が生じた。そこで、この問題点を改良するためにガラス転移温度(Tg)の低い生体内分解吸収性材料として乳酸-カプロラクトン共重合体を合成し、その癒着防止材としての評価検討も行った。この共重合体は体温下において柔軟であり、優れた癒着防止材となることがわかった。そこでこの共重合体について少し詳しく概要を述べる。 D.L-ラクチド(D.L-LA)、およびL-ラクチド(L-LA)とε-カプロラクトン(CL)との共重合体を開環パルク重合により合成した。これらからフィルムを作成し、そのin vivoテストを行うために家兎背筋を線維方向に切開し、試料を埋入したのち筋膜を縫合した。埋入後、経時的に屠殺し試料の物性変化と周囲組織の反応性を検討した。また、癒着防止材としての評価を行うため、雑種成犬の心膜および壁側胸膜を剥離し、同部に試料を4隅縫合することによって固定した。家兎の皮下に埋入された共重合体フィルムは、in vitro加水分解挙動と類似していた。また、L-LA88%フィルムを用いた雑種成犬における心膜の胸腔内癒着防止評価したところ、埋入3ケ月後にはまだ材料は完全には吸収されていなかったが、胸腔内では癒着を起こさず、良好な結果であった。
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