研究課題/領域番号 |
59890011
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
吉里 勝利 北里大, 医学部, 助教授 (20095516)
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研究分担者 |
永吉 紀美子 北里大学, 看護学部, 助手 (00189169)
並木 秀男 早稲田大学, 教育学部, 助手 (50120928)
楠 慎一郎 (株)アドバンス, 生命科学研究所, 所長
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1986年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1985年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1984年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 人工肝臓 / 肝細胞 / 細胞培養 / 線維芽細胞 / コラーゲン / 細胞組込み型人工臓器 / 酸素分圧 |
研究概要 |
心臓や腎臓に障害が出て、機能不全に陥った場合、人工心臓や人工腎臓(人工透析)が使用できる。しかし肝臓の場合は、この臓器が、多種多様な機能を果しているため、従来型の人工肝臓を作るのは、不可能である。そこで"細胞組込み型人工肝臓"の必要性がでてくる。本研究は、この種の人工肝臓開発の可能性を探るために行われた。肝臓の機能担当細胞(肝実質細胞)をin vitroで培養し機能させたり、分裂増殖させ、しかも、この状態を長期維持させることが、人工肝臓(培養肝臓)開発のための必須条件である。本研究では次の5つの観点から研究を行った。1.良好な培養基質としての細胞間マトリックスの導入 2.培養気相の検討 3.非実質細胞の導入 4.灌流培養法の検討 5.三次元培養の検討 これらの研究結果につき以下に述べる。 1.細胞間マトリックス 1.1コラーゲン コラーゲン線維上で肝細胞を培養すると、DNA合成がコラーゲンの量依存的に抑制された。一方アルブミンの分泌能は促進された。これらのコラーゲンの効力は、コラーゲンの線維形成性に依存していることもわかった。1.2肝マトリックスの分離 肝臓を尿素によって灌流することによって、肝細胞の接着維持に有効なマトリックス物質を抽出することができた。生化学的同定はこれからの問題である。2.気相条件。肝細胞の培養には、酸素分圧を40%〜50%に高めることが必要であることがわかった。3.非実質系細胞 肝細胞を1ケ月以上の長期にわたって培養するには、3T3細胞などの線維芽細胞の存在が必要であることを明らかにした。4.灌流培養法 肝細胞をpH,【O_2】分圧を抑制する灌流法によって培養できる装置を開発した。5.三次元培養 肝細胞をコラーゲンのゲル中に封入して、高密度で三次元的に培養することが、可能であることを明らかにした。以上の結果をもとにして、三次元灌流培養肝臓の構築に向けて研究をさらに進めていく予定である。
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