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エピジェネシスによる上皮癌の遺伝子発現制御

研究課題

研究課題/領域番号 60010019
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

水野 丈夫  東京大学, 理, 教授 (50011490)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
キーワード上皮一間質相互作用 / 発癌 / 間質 / 分化転換 / 膀胱癌 / 前立腺 / 乳癌 / 皮膚癌
研究概要

成体器官の上皮細胞やそれから発生する上皮癌細胞の遺伝子発現が、それをとり囲む間質によって指導され、変更されうるかを追求するのが目的であり、本年度に次の諸点が解明された。
(1) 成体ラット膀胱上皮の形態的及び機能的分化は極めて容易に変更しうることがわかった。成体膀胱上皮は胎児尿生殖洞間質の存在下で分化転換を行ない、前立腺上皮に変わる。
(2) 成体ラットの実験的膀胱発癌において、膀胱発癌剤の標的組織は膀胱上皮である。発癌剤に曝露された膀胱上皮の発癌は、発癌剤に曝されていない間質と組合せた場合にも起る。ただし、間質も発癌剤で処理されてあれば、発癌はさらに促進される。逆に、発癌物質の存在は証明されなかった。
(3) 成体マウスまたはラットの実験的乳癌発生においても、上皮を発癌に到らしめる発癌間質は存在しないことが明らかにされた。乳癌の発癌剤に曝露された乳腺間質内に正常乳腺上皮細胞を移植したが、乳癌は発生しない。この場合も、発癌剤の標的組織は上皮であることが明らかになったが、発癌剤処理間質は発癌を促進する。
(4) 乳癌発生のさい、異常な間質が出現することが明らかになった。乳癌の発癌剤をラットに投与し、発癌剤処理間質の細胞を培養したところ、培養液中にMA(筋腱抗原)が証明された。MAは分子量24万の糖蛋白であるが、正常成体乳腺間質にはなく、胎児乳腺間質と乳癌間質に検出された。乳癌間質での、この胎児性糖蛋白の再現が、発癌の原因かどうかは現在研究中である。
(5) 成体イモリの皮膚パピローマ細胞は正常組織にない蛋白をもつことが証明されたが、培養条件の変化により、その発現を変更しうることがわかった。即ち、パピローマ細胞を高温・低温処理または再生類胚の中胚葉分化誘導因子にインビトロで曝露すると、分裂指数の低下、組織形態の正常化、パピローマ特異蛋白の消失、C蛋白の出現などがおきた。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] The Journal of Urology. 133-395. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Japanese Journal of Cancer Research. 76-930. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Cancer Research. 44-5845. (1984)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Journal of Embryology and Exp.Morphology. 89-243. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Cancer Research. 45-1198. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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