研究課題/領域番号 |
60010021
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
首藤 紘一 東京大学, 薬, 教授 (50012612)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
1985年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | 発がんプロモーター / テレオシジン / クロイソカイメン / オカダ酸 / オリボレチン / インドラクタム / レチノイン酸 / 構造活性相関 |
研究概要 |
平田によって海綿動物クロイソカイメンからポリエーテル化合物を分離こその構造が決定された。いずれも分子量が1100以上であり、その構造は特異であった。 これらの化合物は抗腫瘍性をもち作用も強力であるが、検体が微量であったためプロモーター試験はできなかった。新しく採集した材料を用いて分離を進めている。 同時に分離したオカダ酸のプロモーター作用を検討中である。 小清水によってテレオシジンの工壊中および動物・植物酵素による構造変換が検討された。幾つかの代謝物・分解物の構造が決定されたが、それらは不活性化の過程に意味をもつとみられる。 坂井はリングビアトキシンを精製分離し、未決定であったテルペン側鎭の絶対構造を決定した。さらにオリボレチンの新しい誘導体を分離構造決定した。 首藤はテレオシジンのプロモーター活性に必要な構造部分であるインドラクタムVを合成し、そのユンホメーションの解析をNMRおよびMM2分子力場計算によって明らかにした。この結果はテレオシジンの構造活性相関を考える最も基本的な知である。 また インドラクタムの12位のアルキル基を種々に置換した化合物を合成し、その立体構造と活性についての知見を得た。 太田は抗プロモーター作用をもつレチノイン酸の二重結合を三員環に導く方法を開発し、数種のレチノイン酸のシクロプロパンアナローグ合成法を確立した。この結果に基づき、白血病細胞の分化誘導作用を検討中である。 板井は大型コンピュターと三次元グラフィックスによって構造と活性との関係についての知見を得るプログラムを精密化し、異種プロモーターであるフォルボールエステルとの共通構造の抽出を行いつつある。 以上の結果は発がんプロモーターについて多方面の化学的知見を得たものといえ、本研究課題の所期の目的を達成したものといえる。
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