研究課題/領域番号 |
60010044
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
日沼 頼夫 京都大学, ウ研, 教授 (90005009)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
24,700千円 (直接経費: 24,700千円)
1985年度: 24,700千円 (直接経費: 24,700千円)
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キーワード | 成人T細胞白血病 / ATLウイルス / HTLV-【I】 |
研究概要 |
1.ATLウイルス(ATLV)の個体感染動態:健康ATLVキャリアの末梢リンパ球についてEBウイルス特異的B細胞トランスフォーメーション抑制値(キラーT細胞活性の表現)を測定した。その結果キャリア34人中11人にこの抑制値の低下をみた。細胞性免疫能が低下していることを示唆している。 2.ATLV単クロン抗体:単クロン抗体ではじめて検出されたp34はATLV陽性細胞表面にあるが、IUdR処理で誘導されない。ATLVの遺伝子産物ではないようである。またIL-2レセプターに対する新しく追加された単クロン抗体2種は、前に報告されているTac及びHIEIとちがった抗原決定基を認識していることを明らかにした。 3.ATLVのネコ細胞感染:ネコ腎由来細胞はATLV感染によって細胞融合をおこすが、この細胞内にATLVタンパクが合成されていることを認めた。 4.サルのATLV様ウイルス:一匹のアフリカミドリザルに発生した白血病がATLV様ウイルスによるものであることを、白血病細胞にウイルスcDNAの検出で証明した。 5.ATLV個体感染経路:ATLVキャリア母乳細胞成分をマーモセットに経口投与した結果、感染が成立した。キャリアの母親から生まれた乳児16人を追跡したところ12人が生後18ヶ月までに感染していることを証明した。ATLVキャリア男性7人中5人に精液中にATLV陽性リンパ球の存在することを認めた。 6.ATLV遺伝子DNAのトランスフェクション:完全長DNAを各種細胞株にトランスフェクトしたところ2日後に各種ウイルス構造タンパクが合成されてくることを認めた。
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