研究概要 |
伊東は前立腺発癌にethinyl estradiolが、乳癌発生にBHAとethoxyquinがインヒビターとしての作用を示すことを見出した。一方BHAのプロモーション作用の用量効果やpepleomysinの腎、膀胱発癌のプロモーター作用を明らかにした。また、phenobarbital,sccharin,BHAのプロモーション作用量でも標的臓器のODC活性は上昇せず、皮膚と異なることを示した。石川は強い抗酸化作用をもつ尿酸のマウス皮膚発癌に対する作用を追究し、特記すべき影響をみなかった。垣添はdifluoromethyl ornithineが抗サッカリン作用を示すことを見出した。佐藤はGST-π(ヒト胎盤型)はヒト大腸、子宮頚部などの癌のマーカー酵素になりうる事を明らかにした。高橋はindomethacin,phenylbutazone及びmethionineが膵発癌でインヒビターとして作用することを、日浅はtrisodium nitrilotriacetate monohydrateが腎、膀胱発癌のプロモーター作用とその用量効果を見出した。また、甲状腺発癌プロモーターのphenobarbitalには性差及び用量効果があり、血中のT3及びT4の低下及びTSHの上昇が関与することを見出した。さらに、diaminoanisoleにも同様作用のあることを示した。藤木はTPA-type発癌プロモーターの作用を抑制するpenta-O-galloyl-β-D-glucoseを見出し、大澤はユーカリ葉から得られたellagic acid、茶葉カテキン類やゴマリグナン類などに強い脂質過酸化抑制効果のあることを明らかにした。小西は腎腫瘍の特異抗原を分画し5種類の異なる特異抗体を得、加登は細胞内レチノイド結合蛋白の組織・細胞内における動態を検討した。
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