研究概要 |
In situ ハイブリッド法を用いた我が班の研究成果は次の通りである。 1,マレック病ウイルス(MDV)ゲノムを腫瘍細胞株染色体上に位置ずけた(MSB1株、第24:RP1株、第2;LS′1株、第1)。MDVゲノムが染色体に結合している事を初めて示した。 (平井) 2,トリアデノウイルスDNAでトランスフォームした細胞株の大部分はウイルスゲノムが、2つの染色体が融合した部位に認められた。いずれの細胞株でも、その部位は非染色部分であった。 (石橋) 3,腫瘍細胞中に認められたC-Ki-rasやC-mycらの細胞癌遺伝子の増巾をin situハイブリッド法で検出する系を開発した。(林) 4,成人T細胞白血病患者由来細胞株Kubo内のHTLV-1プロウイルスの少なくとも一部が染色体異常を示すNo7に局在することを見い出した。(小林) 5,EBウイルス(EBV)ゲノム陽性の腫瘍細胞株の内、多数のEBVゲノムを維持する細胞株では大部分の染色体上にEBVが散在し、少ないものでは特定の染色体上に局在していた。(水野、平井) 6,ブルーム症候群患者末梢血リンパ球のEBVトランスフォーム細胞株のEBVゲノムはGバンド法の染色部位に局在するのに対し、その細胞株を4NQO処理により腫瘍化したものではウイルスゲノムが、非染色部位に移行している事を見い出した。(白石、吉田、平井) 7,水痘ウイルスで形質転換した細胞中のウイルスゲノムは染色体のセントロメアに位置するものが多く見られた。(早川) 8,慢性骨髄性白血病患者慢性期ではフィラデルフィア(Ph)染色体が95%の場合に認められるが、急性転化後、Ph染色体が消失し、その代り、F群類似の小型染色体を認めた。 その染色体上にab1細胞癌遺伝子を検出した。(滝本)
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