研究課題/領域番号 |
60010099
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
長与 健夫 愛知県がんセンター, その他, その他 (50073094)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
1985年度: 12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
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キーワード | DNA / 染色体構成パターン / ケンビ螢光則光法 / スルフォムチン / 腸上皮化生 / 残胃癌 / 統計調査 / 発癌促進作用 / エトキシキン / 抗酸化剤 / ODC活性 / タウロコール酸ソーダ |
研究概要 |
胃癌発生の機構を探りまた癌発生前後の様相を知るために、人体例(主として手術切除胃)と実験動物(ラット)について研究を進め、概略以下のような成果を得た。 人体例について:1.形態像増殖様式等に大きな違いのある高分化型(腸型)胃癌と低分化型(びまん型)胃癌は、その発生の当初からDNA量・染色体の構成パターンに差があり、前者は多倍体を多く含みモザイク状態であるのに比し後者はそれが僅かであることがケンビ螢光測光法を用いた研究によって明らかとなった。(藤田ら)2.スルフォムチンを有する化生腸上皮の胃粘膜中の部位によるあり方からみて、不完全型の腸上皮化生と腸型胃癌の発生との間には従来から言われているような密接した関係があるか否か疑わしい。(加藤ら)3.良性疾患のために部分切除をうけた残胃に発する癌(残胃癌)は術後20年以上を経た症例に多く、B-【I】法よりもB-【II】法の手術をうけた者の吻合部による多い。4.吻合部胃粘膜には、非切除胃粘膜には見られない特長的な組織変化がある。5.各種の統計調査から 近年残胃癌例が漸増している。(長与ら) 動物実験について:ラットのMNNGによる胃癌の発生には、それに係るいくつかの内外要因があり、その検索を進めて次の成果を得た。1発癌促進作用をもつものとして既知のもの、他にエトキシキンなどの抗酸化剤がある。(高橋ら)2.ODC活性の誘導という発癌促進の観点からみて、胆汁の一成分であるタウロコール酸ソーダにもその作用がある。(斎藤ら)3.種々の傷害をうけてその構造に変化を来たした胃粘膜は、そうでない胃粘膜よりも癌原性物質に対して感受性が高い。(大原ら)4.前癌病変の存在を知る組織学的示指の一つとして 幽門腺細胞中のペプシノーゲン【I】型活性の欠落細胞の増加があげられる。(立松ら)V)各種の女性ホルモン中デヒドロ・エピアンドロステロン(DHA-S)は発癌抑制作用が最も強い。(岩永ら)
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