研究課題/領域番号 |
60010102
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
石橋 正英 愛知県がんセンター, その他, その他 (70029776)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
1985年度: 17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
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キーワード | アデノウイルス / 発がん遺伝子 / DNA / 存在様式 / 変異 / 主要移植抗原 / 転写調節 / トランスフォーメーション |
研究概要 |
トリアデノウイルスの発がん遺伝子領域を取り込んでいても細胞は必ずしもトランスフォームせず、細胞がトランスフォームするためには、ウイルスの発がん遺伝子が、充分、形質発現しうるような存在様式をとる必要があることを示す結果がえられた。 ヒトアデノウイルス12型のE1遺伝子群、DNA領域の種々のinframe変異株が分離され、これを用いた解析的研究から、このDNA領域の細胞がん化に果す役割を、より詳細に分りつつある。たとえばEIA遺伝子によって作られる蛋白のN末端側の約4分の1が細胞のがん化には必須であることが明らかとなった。EIA遺伝子から転写されるmRNAのうち13SのRNAのみを作るウイルスや12SRNAのみを作るウイルスの分離にも成功したので、これらを用いることによって、今後、より詳細な解明が期待しうる。 ヒトアデノウイルス12型でトランスフォームしたマウス細胞株間で主要移植抗原【I】型の発現量と腫瘍原性の強さに逆相関を示す結果がえられた。しかし、いずれの細胞株においてもEI遺伝子が同等に発現しており、一部の報告にあるようなEIA遺伝子発現が主要移植抗原の発現を阻止することを示すような結果はえられなかった。 EIA遺伝子の発現によって活性化されたり、阻止されたりする細胞遺伝子のmRNAに対するcDNAクローンの分離も少数ながら成功しているので今後の進展が期待しうる。 EI遺伝子領域の転写調節に関して、転写終結を決定するシグナルが存在することを示す成績がえられた。また、転写促進に関与する細胞側因子がウイルスDNAのプロモーター領域の上流に特異的に結合することを示す成績がえられた。 細胞の完全および不完全トランスフォーメーションに必要なトリやイヌアデノウイルスのDNA領域が明らかとなった。
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