研究課題/領域番号 |
60015005
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
出川 雅邦 東北大学, 薬, 助手 (50134002)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1985年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 化学発がん / チトクロームP-450 / マウス / ラット種差 / 性差 / 抗チトクロームP-450単クローン抗体 / 発がん感受性 |
研究概要 |
1. Trp P-2(トリプトファン熱分解物成分)による【CDF_1】マウスでの発がんの性差について:既に、国立ガンセンター、杉村らにより、Trp P-2発がんでは雌【CDF_1】マウスは雄に比べ、著しく発がん感受性が高いことが報告されている。今回、我々はTrp P-2餌を発がん実験時と同様に雌雄【CDF_1】マウスに1〜2週間与え、各時期における標的臓器内の Trp P-2代謝活性化能をAmes試験を利用し、比較検討した。平常時の代謝活性化能は、雌雄間で有意な差は見られなかった。Trp P-2餌投与(1〜2週間)により雌では有意な活性化能の上昇(1.5〜2倍)が認められたが、雄では活性化能の上昇は認められず、逆に若干の低下傾向が示された。Trp P-2餌投与時(1〜2週間)の各時期の雌雄間での代謝活性能を比較すると発がん感受性の高い雌の方が発がん感受性の低い雄より約2倍高い活性化能を示すことが明らかとなった。本結果は発がん感受性支配要因の少なくとも1つに発がん初期過程における各動物の代謝活性化能が挙げられる事を示唆している。また、Trp P-2餌投与により雌マウスで誘導される代謝活性化酵素は、その基質特異性補酵素の要求性等の点から、3-メチルコラントレンで誘導されるタイプのチトクロームP-450(s)であろうと推察された。 2. 4-アミノアゾベンゼン(AAB)誘導体によるラット肝高スピン型チトクロームP-448(cyt. P-448H)の選択的誘導:種々芳香族アミン系発がん剤はcyt. P-448Hで高率に活性化される事及び本酵素を誘導する性質のあることを見い出した。そこで、cyt. P-448Hの誘導能と発がん活性との関連性をAAB誘導体を用い検討した。cyt. P-448の定性、定量は、昨年度及び今年度作製した単クローン抗体(cyt. P-448H特異抗体及び低スピン型cyt. P-448特異抗体)を用い、行なった。その結果、AABを除く種々メトキシルあるいはメチル誘導体に選択的cyt. P-448誘導能が観察され、必ずしも発がん活性とは相関しないことが明らかとなった。
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