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抗腫瘍免疫におけるエフェクター機構の発現とそれを規定する腫瘍細胞抗原性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 60015037
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

栗林 景容  京都大学, 医, 助手 (10064578)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワード腫瘍拒絶能 / CTL(細胞障害性T細胞) / TCGF(T細胞増殖因子)
研究概要

本年度の研究に於いては近年抗腫瘍免疫応答の中心的効果細胞が従来より想定されていた細胞障害性T細胞(CTL)ではないという報告がなされたことに鑑み、より洗練された系を樹立し、CTLの意義を再確認した。T細胞増殖因子(TCGF)依存性となったCTLは生体内における挙動(組織への移行性など)が正常のT細胞とは異なり、in viuoでの効果を評価することが困難である。従ってTCGF非依存的にin uitroで維持可能なCTL株を樹立した。このCTL株(CTLL-D4)は(BALB/cXC57BL/6)【F_1】(CB6【F_1】)マウスより樹立された株であり、放射線誘発腫瘍RL♂1に特異的な細胞障害活性を示しTCGF非依存的にフィーダー細胞と腫瘍細胞のみにより長期間維持された。CTLL-D4は単クローン性ではなくヘルパーT細胞とCTLとの混合T細胞株であったが、前者T細胞はフィーダー細胞のIa抗原とのみ反応し腫瘍に対する反応性はなくこの株の腫瘍特異性はCTLによってのみ担われていた。前もってRL♂1を皮下接種しておいたヌードマウス(CB6【F_1】)にCTLL-D4を静脈内投与することにより、接種された腫瘍は効果的に拒絶された。CTLL-D4の腫瘍拒絶能はin vitroでの細胞障害能と同様にRL♂1に特異的であり他の腫瘍が拒絶されることはなかった。またヘルパー型T細胞のみから構成されRL♂1に対し細胞障害能を失った株がCTLL-D4から樹立されたがこの株にはin vivoでの腫瘍拒絶能が全くみられなかった。
以上の結果から生体内での腫瘍拒絶にはRL♂1腫瘍を用いた場合、CTLが効果細胞として作用し得ることが示された。一方腫瘍細胞によっては非細胞障害性のT細胞が腫瘍拒絶の中心的な効果細胞であることもまた確かである。現在我々はこのような効果細胞産生の多様性が腫瘍抗原の如何なる性質と対応しているのかまたこのような腫瘍抗原の生化学的解析を引き続き追求している。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Immunology. 56(1). .127- .140 (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Immunology. 56(1). .141- .151 (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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